【技術士二次試験対策】必須科目(Ⅰ)は社会課題の幅広い観点+専門知識が必要!

技術士二次試験の必須科目(Ⅰ)は令和元年度から始まった問題形式です。そのため、単なる技術部門の知識だけでなく、これから問題となる社会課題(エネルギー自給率、公衆災害、デジタル技術、温室効果ガス削減)を十分理解した上での解答が必要となります。

そのため選択科目(Ⅲ)と比較すると「倫理」と「持続性」が加わります。同様に必須科目(Ⅰ)では「あるべき社会の姿」を捉えることが重要となります。これは何か?

あるべき社会の姿とは?
  • 時代によって変化する
  • よって自分で情報収集するしかない
  • 新聞、白書、展示会、業界専門誌などから情報収集

これらで情報収集をして自分でまとめていくしか手がありません。これら社会課題を解決するために機械技術の専門家として何ができるか?これを解答するのが必須科目(Ⅰ)となります。

選択科目(Ⅲ)はあくまでも選択科目におけるエンジニアリング問題なので、その違いをもう少し説明すると

必須科目(Ⅰ)と選択科目(Ⅲ)のちがい
  • 必須科目(Ⅰ):社会課題やこれから変化するであろう社会変化に対応するために技術者としてどう解決するか?
  • 選択科目(Ⅲ):選択科目のエンジニアリング問題(機械設計であれば機械設計に関するエンジニアリング問題)を技術者としてどう解決するか?

これらを履き違えると解答が全く意味の通らないものになるので注意しましょう

目次

まず問題をしっかりと読む

最も基本にして最大の落とし穴が、「問題を読み飛ばす」ことです。設問文は長文で構成されることが多く、一見すると似たようなフレーズが繰り返されています。

ところがよく読むと出題ごとに指示されている内容などが全く違います。まずは丁寧に読み、「何を問われているのか?」「指示事項は何か?」を明確にしましょう。

指示事項はきちんと書く!

設問の中には「~を明記せよ」「~を含めて論じよ」「〜〜を特定して」など、必ず書かねばならない要素が含まれています。これを落とすと、どれだけ中身が良くても大きく減点されてしまいます。

「聞かれたことに答える」、これが論文試験の鉄則です。技術士二次試験の論文も同様に聞かれたことには必ず答えましょう。

例として令和6年度技術士二次試験の機械部門、必須科目を例にしてみます

令和6年度技術士二次試験 機械部門過去問から抜粋

ここで注目すべきところは下記のようになります

問題の中で気をつけるところ
  1. 問題文の中で「現在の日本を取り巻く様々な状況(人口、教育、経済、環境保護等)を踏まえた上で」とある。
    →論文の中でどう踏まえるのか書く必要がある
  2. 設問(1)で「機械製品を1つ想定し」
    →論文の中で何を想定するのか明記する必要がある
  3. 同様に設問(1)で「考えられる付加価値を1つ提案せよ」
    →論文の中で提案する必要がある

この3つは必ず論文の中で明記する必要があります。これらを無視して論文を書いても問題に答えていないことになるので、評価はされないか低くなるでしょう。

重要なところにはアンダーラインを!

問題文を読んだ際に指示された箇所や重要な箇所を忘れないように、重要なワードにアンダーラインを引くことも有効です。こうすれば骨子を書いているときに重要なところを忘れないで作成できます。

筆記試験は時間との戦いですが、だからといって問題文をおろそかにしていいわけではありません。しっかりと問題文を読んで、指摘されていることを漏らさないようにしましょう。

答案用紙の配分

答案用紙は3枚構成(合計約1,800文字)です。各設問ごとにバランスよく文字数を配分しましょう。ここで重要なのは基本的な構成は事前に決めておくということです。

問題のたびに論文の構成を変更するとそれを考えるだけで時間が取られます。しかし、実際の試験ではそこまで時間に余裕がありません。なので「1枚目は設問(1)、2枚目は・・・」などと基本的な構成は事前に決めておき、その通りに答案を埋めるだけにするのです。

これにより、構成を考える時間が必要なくなり効率的に論文執筆を進めることができます。

下記に私の論文構成を以下に示します。

1枚目

1枚目は基本的に設問(1)を埋めるようにします。よく1枚目で問題に関する背景状況や自分の考えをダラダラと述べる人がいますが、はっきり言って紙面の無駄ですし字数稼ぎと捉えられる可能性もあります。

背景状況などはほぼ不要です。私は2行程度で「◯◯を実施する施策を以下に示す」と簡潔に記入します。ただし、問題によっては「◯◯を特定して」などありますので、この場合は必ず特定しましょう。その場合は上記の「◯◯を実施する施策を以下に示す」も省略していいくらいです。

そして設問(1)は基本的には観点(ない場合もある)を明記した上での課題の特定です。課題を特定するためには現状と理想のギャップ、つまり問題を明記する必要があります。

よって私は以下のような構成にしました。

設問(1)の構成
  1. まず見出しとして課題を明記
  2. 次に現状を2行
  3. 次に理想とのギャップ(問題)を2行
  4. 最後に観点と課題を2行

合計7行

これだけです。これで1枚目を埋めることができますが、上記の通り問題によって特定することなどがある場合はもう少し紙面が必要となり、1枚で埋まらなくなります。5行目から設問(1)の解答を始めることができればなんとか1枚で埋めることができるので、臨機応変に対応しましょう。

2枚目

2枚目は設問(2)を埋めるようにします。つまり「最も重要な課題の特定」と「解決策」で埋めます。しかし実際は3枚目に一部入ります。

設問(2)の構成
  1. 最も重要な課題は6行程度で明記
  2. 解決策に関してはまず解決策を2行
  3. 次に問題点を2行で明記
  4. 最後に2行で問題点に対する対応を明記

この構成で書くと3枚目に3つ目の解決策を一部書く必要があります

最も重要な課題を短くしてもいいですが私はどうしても短くできなかったので、この構成としました。

3枚目

3枚目は設問(2)の続きと、設問(3)および設問(4)の解答とします。この構成だと最後の「技術者倫理」と「社会の持続可能性」についてギリギリの構成となります。答案用紙に余裕を持ちたい場合は設問(2)の「最も重要な課題」を4行で説明しましょう。

設問(3)および(4)の構成
  1. 4行でリスクの解説
  2. 4行でリスクの対策
  3. 4行で技術者倫理
  4. 4行で社会の持続可能性

これで見出しも含めて答案用紙を全て埋めることができる。

以上の構成でかくことで答案用紙を全て埋めることができます。必須科目(Ⅰ)は時間的には選択科目より余裕がありますが、記入する内容が多いので用紙不足とならないように注意しましょう。

解答時間

解答時間は2時間ですが別の記事でも解説した通り、骨子作成で30分です。欲を言うとこの時間で見出しも全て記入しておくと解答を記入しやすくなります。

あとは25分/枚を目標に記入していきましょう。

骨子の作成

おそらく多くの参考書やセミナー、および通信教育でも論文を書く前に骨子の作成が重要と言われるはずです。短い試験時間でなぜ骨子の作成がそこまで重要なのでしょうか?

骨子を書くことで問題文に対する論理展開が間違っていないか?課題や解決策の提示、問題点の提示は間違っていないか?全体のつながりは論理的か?などを事前に確認することができます。

骨子を書けばあとはそれに従い淡々と論文を書けば論文が完成します。いきなり論文に取り掛からず、いかにこの骨子をまとめるかが重要です。

骨子の重要性
  • 論文の設計図とすることができる
  • 問題に対する論理展開や課題抽出などに問題がないかの確認ができる
  • 論文全体の論理が飛躍していないかを確認できる。
  • 論文を書く時間を節約できる

骨子の基本的な構成は以下の通りです。あとは問題ごと変更すれば全ての問題に応用できます。

骨子をどう作れば良いかわからない人は?

どう作れば良いかわからない人にはおすすめは「模範解答の読み込み」です。模範解答やA判定論文の販売などが行われていますので、解答から骨子を作りどのように論理展開されているか確認しましょう。

これを繰り返すことで骨子の作り方だけでなく、現状分析からリスクまでの論理展開も勉強することができるのでおすすめです。

書籍としては「技術士第二次試験「機械部門」完全対策&キーワード100 」がおすすめです。

技術士第二次試験「機械部門」完全対策&キーワード100 

他にも模範解答としては「新技術開発センター」、A解答の再現論文は「sukiyaki塾」で販売しているので、なるべく多くの論文を読み込むことがおすすめです。

設問(1)

設問1は観点(ない場合もある)と課題の抽出です。とは書いていますが、個人的には現状分析も書いた方が良いでしょう。なぜなら現状と理想のギャップが問題であるからです。

それぞれ詳しく解説していきましょう

課題の抽出方法

課題の抽出の際には観点を明記せよと書いてあることが多いです。書いていないこともあります。観点を明記せよと書いてあれば必ず書く必要があります。

必須科目(Ⅰ)の場合は「多面的な観点からの課題」となりますので、自分の専門科目にこだわらずに幅広い視野から課題を抽出しましょう。よく言われるのがSEQCDの観点です。

まずは現状と理想のギャップ(問題)を明確に

課題を明確にするために必要なことは何か?それは問題を明確にすることです。問題がわからなければ課題を明確にすることはできません。つまり問題を明確にできない場合は、課題すら明確にできないのです。

じゃあどうすればいいのか?というと「修習技術者のための修習ガイドブック」に書いてある通り、まずは理想と現実のギャップを把握することが必要です。

修習技術者のための修習ガイドブックより引用

この理想と現実のギャップつまり問題は設問自体に記載があることも多いので見逃さないことが重要です。設問に記載があるのにそれを無視すると高得点が得られない可能せもあります。

現状と理想のギャップ(問題)があるから課題がある

設問に書いていない時は自分で現実と理想のギャップから問題点を明確に指定、それに対する課題を明確にしましょう。課題というのはポジティブなことです。「◯◯することで解決できる」というような表現となります。

ただし気をつけなければいけないのでは、例えば令和6年度の機械部門のように

機械製品を1つ想定し、その製品に対して機械技術者の立場から考えたときに有効と 考えられる付加価値を1つ提案せよ。さらに、その付加価値の実現のためにどのような 課題が考えられるか、多面的な観点から3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、 その課題内容を示せ。

日本技術士会 令和6年度機械部門過去問より抜粋

このような場合は自分でどのような付加価値をつけるかを想定して、その付加価値がなぜ今実現できていないのかという問題点を明確にした後で、課題を明確にする必要があります。

問題によって課題を抽出する方法が変わっていますのでまずは問題文を正確に読むという作業が必要です。しかし、基本的な考えとして「現状と理想のギャップ(問題)があるから課題がある」ということは変わりませんので注意しましょう。

設問(2)

設問(2)は最も重要な課題とそれに対する解決策の提示です。この解決策の提示の際に「高等の専門的応用能力」が必要となります。そこまで問題文には書いていませんので注意しましょう。

最も重要な課題

最も重要な課題というのはなんでしょうか?一般的には「理想と現実のギャップが最も大きいもの」と考えるのが正しいと思います。となると各課題の比較が必要となります。

そのため解答の中でも各課題との比較した結果、当該課題が最も重要ということを明記する必要があります。そうしないと「最も重要」といいながらなぜ重要なのかわかりませんからね。

本当にそれが最も重要??

しかし単純に「理想と現実のギャップが最も大きいもの」と簡単には言いますが、実際問題として単純に「これが一番!」と言えることは少ないと思います。どの問題も連鎖的に生じている可能性もあり、逆に課題自体も連鎖的につながっている可能性もあります。

となると単純に「これが最も重要」といってもその課題を解決することで何か他の事象が発生しないでしょうか?逆にその課題以外の課題はやらないくて本当にいいのでしょうか?

1つの課題解決で他も解決できないか?

ということで複雑化している・連鎖的に生じている可能性がある場合は、課題解決することでも他の問題も解決できればベストですよね?

私はこの「根本的な問題解決のための課題」が最も重要だと思っています。

例えば「安全」「軽量化」「コストダウン」という3つの観点からの課題があったとします。この場合どう考えるべきでしょうか?おそらく多くの人が「安全」を解決する課題を選択すると思いますが、私は実際の試験でも以下のように重要な課題設定をしました。

重要な課題の設定方法
  1. 安全:安全化を目指すことで
    ・軽量化はすることができるかもしれない。しかし強度を増そうとすれば重量増加につながる。
    ・価格の面ではセンサーの増加や安全対策から増加の恐れ
  2. 軽量化:軽量化をすることで
    ・軽量なものはパワーが少なくていい、つまり安全になる。
    ・軽量な材料は価格上昇につながる恐れがある。しかしそこは創意工夫で使用を限定すれば価格の上昇を抑制できる(これが専門的応用能力)
  3. コストダウン:コストダウンを目指すことで
    ・安全が犠牲になるかもしれない
    ・安い材料を使うことで重量の増加の恐れ

よって2番の「軽量化」をすることで「安全」も「コストダウン」も達成することができるので、「軽量化」を最も重要な課題とした。

※必ずしもこれが正解ではなく

  • 他の2課題も解決可能
  • 課題の解決策と専門的応用能力を思いつける

この2点から考えることが重要

これも実際に何度も自分で論文を書いてみたり、模範解答などを通じて勉強するしかありません。

解決策

課題を実行するにあたりやることが解決策ですが、ここも非常に重要です。なぜならここで「専門的応用能力」を発揮しないといけないわけです。

後でも話しますがただ単に「◯◯を実施する」は解決策としてはいいかもしれませんが、「専門的応用能力」を発揮しているとは言えません。これは技術士でなくてもできることです。

技術士としての専門的応用能力とは何か?それがとても重要です。

必須科目(Ⅰ)の場合は選択科目に拘らずに!

必須科目の場合は「部門全体」なので必ずしも選択科目の内容に沿った解決策でも問題ありません(と思っています)。私もここでの解決策は設計以外でも「◯◯の設置」など、「機械設計」よりも「加工・生産システム・産業機械」寄りの解答を書きましたが問題ありませんでした。

簡単に解決してはいけない!

上記にも書いていますがここで「専門的応用能力」を示す必要があります。ただ単に「◯◯を実施する」では専門的応用能力を発揮しているとは言えませんよね?

というか実際の仕事でもそうですが何かやろうとしても「お金が」「納期が」「品質が」と色々と制約があり、簡単には解決できません。それをどうやって解決するのか?

そこが「専門的応用能力」です。

解決策を阻む問題点を明確に!

「専門的応用能力」を示すためには解決策を阻む「問題点」を明確にする必要があります。この問題点はなんでしょうか?例えば

問題点の考えかた

何かをすることで

  • 予算が足りなくなる恐れ
  • 納期がかかる恐れ
  • 変更点管理不足で逆にトラブルの恐れ
  • 品質低下、品質不安定化などの発生
  • 新たな機器取り付けで何か別のトラブル
  • 設計変更で組み立てミスの発生
  • CAEによる計算トラブル

これ以外でも何かをすることによるトラブルやそれを阻む制約条件を考える

これらを明確にしましょう。これにより問題点が明確になり「じゃあどう創意工夫するのか?」という点から、課題を実行するために真にやるべきことがはっきりします。

問題点に対して何をするか!これが重要!

気をつけて欲しいのが問題点の解決にも専門知識がいるということです。絶対に書いて行けいないことは

絶対に書いては行けないこと
  • 上に頼んで予算を増やしてもらう
  • 人を採用する(マネジメントのリソースの配分という点から書ければ問題なし)
  • 会議をして納期を延長してもらう
  • 品質を下げる

このようなことは絶対に書いては行けません!なぜならこれらは

  • 技術士でなくてもできること

だからです!技術士として求められていることは何か?それは「科学技術に関する高等の専門的応用能力」です。それを絶対に忘れないでください!

設問(3)

設問(3)はリスクの話となります。懸念事項の場合もありますが今回はリスクを中心に話をしていきます。

リスクとは何か?

そもそもリスクとはなんでしょうか?これを知らないと解答が変なことになります。

「起こったらやばいこと」という曖昧な考えではなく、この機会にしっかりとその考えを整理しておきましょう。

起こるのが明らかなものはリスクではない!

リスクの一つの考え方として私は以下のように考えました。

リスクの一つの考え方
  • 起こるか起こらないかわからない
  • 起こると分かっていても自分でその発生をコントロールできない

そのため明らかに発生することが明確なもの(自明なもの)に関してはリスクとは言いません。それは懸念事項として処理する必要がありますし、分かっているのであれば対策が必要です。

起こるかも知れないがコントロールできない

とはいってもよくわかりませんよね?これに関しても「修習技術者のための修習ガイドブック」に記載があります。

修習技術者のための修習ガイドブックより引用

これを自分なりに幅を広げてみましょう。例えば「法律の変更」というのもある意味リスクの一つですよね?

過去にあった「マスキー法」などはその良い例で、政府の決定事項ですから自分ではコントロールできませんし、正式に発令されるまでわかりません。では法的規制が厳しいものを取り扱っている場合どうするのか?

例えば法的規制に関するリストをまとめておき、規制強化の流れが起きれば一気にそこを変更させれるように準備しておくなども対策の一例です。

リスクの対策だけでいいの?

ここも非常に重要でリスクの対策はしたはいいけどそれにより別の問題が起きれば最悪です。

これは設問(2)の課題、解決策、および問題点と同じ考えです。リスク対策に潜む問題点を明確にして、それに対する対応策を明示しましょう。

これにより「ただ単に対策だけでなく、それによる負の側面も対応していますよ」とアピールすることができます。

設問(4)

設問(4)は技術者倫理と社会の持続可能性です。ここは単に「倫理に気をつけます」「社会に気をつけます」では済まないところです。

技術士としてどういう行動で「倫理」を保つのか?どういう行動で「持続可能性」を維持するのか?つまり公益確保にあなたはどう行動しますかということです。

技術者倫理

単に技術士倫理綱領を書くのは×

まず技術士倫理綱領は覚えておきましょう。筆記試験に合格すれば口頭試験の対策が必要なので、必然的に覚えることとなります。

とはいってもただ単に倫理綱領に書いてある「安全、健康、複利の優先をします」と書いても高得点はもらえないでしょう。なぜなら具体的な行動が一切書いていないからです。

技術士は個人資格!あなたがどう行動するかを書く!

そのためにはあなたが技術士としてどういう行動をすることで倫理を保つのか書く必要があります。つまり公益の確保を保つためにどう行動するかということです。

気をつけて欲しいのがあくまでも技術士は個人資格ということです。何度も言いますが「あなたの行動」を書きましょう。実際解答に記載した業務を実際に行ったときに、どのような倫理違反が発生しそうですか?

それを考えると自動的に答え、つまりあなたの行動ははっきりします。

持続可能性

これも倫理と同じ!倫理綱領だけでは×

これも倫理綱領を書くだけでは高得点をもらうことはできないでしょう。倫理と同様に行動で示す必要があります。持続可能性ということは環境の保全も含まれますから、そのような観点から書いてもいいでしょう。

どういう行動で持続可能性を保つのか?

この業務を行うと「環境に対する影響」はあるでしょうか?設問や解答の仕方によってはどのような影響が出るのかを予測することは難しいと思います。

しかし、実際の業務を考えてください。昨今では必ずリサイクルや環境負荷の少ない設計などを必ず考慮していますよね?ですので持続可能性も実際に業務を行うときに、どのように持続可能性や環境の保全を考慮しているのかを書いてください。

例えば何か新規設計では3R設計、排水や排ガスが出るのであればモニタリングをして環境負荷の低減など、実際にやっていることを書いてください。

まとめ

技術士二次試験の必須科目(Ⅰ)は、単なる専門技術の知識だけではなく、社会課題への理解や倫理観、持続可能性への配慮といった広い視野が求められる試験です。選択科目(Ⅲ)との違いを理解した上で、「現状と理想のギャップを見極め、課題を抽出し、具体的かつ専門的応用能力をもって解決策を提示する」ことが合格への鍵となります。

また、限られた時間の中で効率よく論文を書くためには、骨子の作成が不可欠です。骨子に基づいた論理的な展開を意識しながら、リスク対応や倫理・持続可能性への配慮もしっかりと盛り込みましょう。

今回紹介した内容をもとに、自身の業務経験を論理的に組み立て、「技術士としての姿勢」を明確に示す論文を目指してください。

技術士第二次試験「機械部門」完全対策&キーワード100 

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