AIを「試験官」にする——Claude Coworkを活用した論文添削の具体的手順と、その驚きの実力をご紹介します。
技術士二次試験の最大の壁は「論文」です。独学で添削を受ける機会が限られる中、AIを活用した新しい学習法が注目されています。本記事では、Anthropic社のClaude Coworkを使って、論文添削を効率的に行う方法を具体的に解説します。
はじめに:なぜAIで論文添削なのか
技術士二次試験(筆記試験)では、限られた時間内に論理的かつ専門的な論文を書く力が求められます。しかし、添削を受けられる機会は限られており、受験指導機関の講座も高額です。
そこで活用したいのが、AIによる論文添削です。24時間いつでも添削を受けられ、何度でも繰り返し修正と再提出ができる。この「反復の速さ」こそがAI添削の最大の武器です。
⚠ 注意:AIによる添削は万能ではありません。最終的な判断は自分自身で行い、人間の指導者からのフィードバックも併用することをお勧めします。あくまで学習を加速させるツールとして活用しましょう。
準備:必要なもの
STEP 1:Claude Proプランに契約する
Coworkを利用するには、ClaudeのProプラン(月額20ドル)への加入が必要です。無料プランではCowork機能が使えないため、まずはProプランに契約しましょう。
Proプランでは、Coworkのほか、より多くのメッセージ送信やファイル操作が可能になります。
STEP 2:ローカルにプロジェクトフォルダを作成する
自分のPC上に専用のプロジェクトフォルダを作ります。さらにその中に**「過去問」フォルダ**を作成し、模範解答(A評価の解答事例)を保管しておきます。
📁 技術士二次試験_添削/
📁 過去問/
📄 模範解答_R5_3-1.docx ← A評価の解答事例
📄 模範解答_R5_3-2.docx
📄 模範解答_R4_3-1.docx
📄 …
📁 自分の回答/
📄 添削用令和6年3-2.docx ← 自分が書いた解答
📌 重要:模範解答は自分で用意する
模範解答(A評価の解答事例)は、自分自身で用意する必要があります。受験指導機関の教材や合格者の公開解答などを参考に、質の高い模範解答を集めておきましょう。この模範解答の質がAI添削の精度を大きく左右します。
Claude Coworkでプロジェクトを設定する
ここが最も重要なステップです。Claude Coworkでプロジェクトを作成し、AIに「技術士試験官」としての役割を与えます。
プロジェクト指示の設定
Coworkのプロジェクト作成時に、以下のような指示を設定します。これにより、Claudeは毎回この指示に従って添削を行ってくれます。
#基本ルール:
あなたは技術士(経営工学部門)の試験官、および
受験指導のプロフェッショナルです。
私が作成した「技術士第二次試験」の解答案を添削し、
評価をしてください。
#技術部門:
部門:経営工学部門
選択科目:サービスマネジメント
#評価基準:
技術士会が公表している以下のコンピテンシーに基づき、
厳格に採点してください。
#評価の方法:
1. Aを合格(60点)としてA、B、Cで判定してください。
2. 各設問(設問1〜設問3等)に対して
フィードバックをしてください。
a:良い点
b:改善が必要な点
c:修正案
3. サービスマネジメントの観点から
補足事項があれば解説。
#参考資料
プロジェクトの場所の過去問フォルダに参考として
解答事例が保管されています。
これはすべてA評価の回答です。
これらからどのような回答がA評価をもらっているかを
十分学習の上で、評価をしてください。
💡 ポイント:このプロンプトの肝は**「過去問フォルダのA評価解答を学習させる」**点です。単に添削させるだけでなく、合格基準の「お手本」をAIに理解させることで、より実践的なフィードバックが得られます。
添削の実行手順
プロジェクトの設定が完了したら、いよいよ添削の実行です。
STEP 1:自分の解答をフォルダに保管する
作成した解答をWordファイル等でプロジェクトフォルダ内に保存します。ファイル名はわかりやすく「添削用令和6年3-2.docx」のようにしましょう。
STEP 2:Claudeに添削を依頼する
Coworkのチャットで、以下のように指示するだけです。
添付の問題を回答したので添削してください
「添削用令和6年3-2」というファイルです
Claudeはプロジェクトの指示に従い、過去問フォルダのA評価解答と比較しながら、あなたの解答を添削してくれます。
STEP 3:添削結果を確認する
Claudeは指示に基づき、各設問ごとにA/B/C判定、良い点・改善点・修正案をまとめた添削結果を返してくれます。
驚きの添削結果:Wordファイルで出力される!
ここが一番の驚きポイントです。Coworkの添削結果はWordファイル(.docx)として出力されます。

きちんと整形されたWord文書で添削結果が返ってくるので、そのまま印刷して見返すことも、赤入れを追記することも可能です。デジタル上で完結する添削サイクルが実現します。
これはこれで本当にすごい!
💡 活用のコツ:添削結果をもとに修正した解答を再度Claudeに提出すれば、修正→再添削→修正… のサイクルを何度でも回せます。この反復こそが合格への近道です。
全体のワークフロー
- Claude Proプランに契約
- ローカルにプロジェクトフォルダ&過去問フォルダを作成
- 模範解答(A評価の解答事例)を過去問フォルダに保管
- Coworkでプロジェクトを作成&プロンプトを設定
- 自分の解答を書いてフォルダに保存
- Claudeに添削を依頼
- Word形式で添削結果を受け取る
- 修正して再提出(繰り返し)
おすすめ書籍5選:AI添削と併用して合格力を高める
AI添削の効果を最大化するには、論文の「型」や「書き方の基礎」を身につけておくことが重要です。以下の5冊は、Claude Coworkでの添削学習と相性の良い書籍です。
1.『技術士第二次試験の論理的攻略法 改訂4版 ─論文の書き方・文章のまとめ方─』
著者:青山芳之(オーム社)|Amazon評価 ★4.1
文章の基礎から起承転結のある論文のまとめ方まで解説されており、全部門共通で使える一冊です。口頭試験対策や総監部門対策も掲載されているため、これ一冊で試験全体の流れを把握できます。AI添削を受ける前の「論文の基本フォーム」を固めるのに最適。
2.『例題練習で身につく 技術士第二次試験論文の書き方 第7版』
著者:福田遵|Amazon評価 ★3.3
各問題ごとの論述方法や「型」を学べる実践書です。技術士論文には独特の”お作法”があり、それを知らずに書くと的外れな答案になりがちです。本書で型を習得し、Coworkで添削を繰り返すことで、型の定着が加速します。
3.『技術士第二次試験 合格する技術論文の書き方【第2版】』
著者:足立富士夫(弘文社)|Amazon評価 ★3.9
試験問題からキーワードを抽出し、論点を絞り込み、文章へ展開するプロセスを具体的に示した一冊。Coworkに添削してもらう前段階の「骨子づくり」の力を鍛えるのに役立ちます。骨子がしっかりしていれば、AI添削のフィードバックもより的確なものになります。
4.『改訂版 聴く!技術士二次試験 一発合格のツボ』
著者:山崎恭司|Amazon評価 ★4.5
音声教材付きで、通勤時間などスキマ時間を活用した学習が可能。試験勉強の心得やモチベーション維持のノウハウが詰まっています。机に向かってCoworkで添削→移動中に本書で知識のインプット、という使い分けが効果的です。
5.『基礎からわかる 論文の書き方』
著者:小熊英二(講談社現代新書)
技術士試験に特化した本ではありませんが、論理的な文章構成の基礎を学べる名著です。「論文の書き方の本を読みあさってきたが、本書が一番分かりやすい」というレビューが示す通り、文章力の根本を鍛えたい方におすすめ。AI添削で指摘された弱点を、本書で体系的に補強できます。
💡 活用のポイント:書籍で「型」と「知識」をインプットし、実際に論文を書いてCoworkで添削を受ける。このサイクルを回すことで、独学でも合格レベルの論文力を効率的に身につけられます。
まとめ:AIを”利用する”時代へ
Claude Coworkを活用すれば、技術士二次試験の論文添削が驚くほど効率化されます。模範解答を学習させた上での添削は、単なる文章校正ではなく、試験のコンピテンシーに基づいた実践的なフィードバックです。
もちろん、AI添削だけで合格が保証されるわけではありません。しかし、有効に使えば論文添削は確実にはかどります。
これからの時代に問われるのは——
AIをいかに有効に”利用するか”。これが重要です。
技術を恐れるのではなく、技術を味方につける。技術士を目指す皆さんにとって、それは試験勉強の段階からすでに始まっているのかもしれません。
※ 本記事の内容は2026年3月時点の情報に基づいています。Claude Coworkの機能・料金は変更される場合があります。


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