無事に技術士一次試験に合格をすれば、というか一次試験は解答がすぐに発表されるので自己採点をして、合格であればすぐに二次試験対策を始めましょう。
一次試験が11月として翌年1月から対策をしても十分間に合います。
しかしいきなり論文対策などを行うのはやめてください。まずは受験申込書内の実務経験証明書の作成が第一関門です。さらにその前には自分の技術部門と選択科目を決める必要があります。
それ以外にも技術士二次試験の勉強を行う前にやってほしいことが「6個」あります。面倒かもしれませんが私はこれを知らずにいきなり試験対策をし、後回しにした結果、時間を無駄にしました。
まずは以下に記す6個のことを行ないましょう!それが合格への近道とも言えます!
1.技術士法を熟読する
まずは技術士法を特に技術士法第二条および技術士法第四章をよく読みましょう。そこに技術士とはどういう業務を行うものか?技術士の義務が書いています。
この法律において「技術士」とは、第三十二条第一項の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術(人文科学のみに係るものを除く。以下同じ。)に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務(他の法律においてその業務を行うことが制限されている業務を除く。)を行う者をいう。
技術士法第二条より引用
第四章 技術士等の義務
技術士法第四章より引用
(信用失墜行為の禁止)
第四十四条 技術士又は技術士補は、技術士若しくは技術士補の信用を傷つけ、又は技術士及び技術士補全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
(技術士等の秘密保持義務)
第四十五条 技術士又は技術士補は、正当の理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。技術士又は技術士補でなくなつた後においても、同様とする。
(技術士等の公益確保の責務)
第四十五条の二 技術士又は技術士補は、その業務を行うに当たつては、公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならない。
(技術士の名称表示の場合の義務)
第四十六条 技術士は、その業務に関して技術士の名称を表示するときは、その登録を受けた技術部門を明示してするものとし、登録を受けていない技術部門を表示してはならない。
今後はこれを常に意識して受験申込書の作成、論文作成などを進めていきましょう。特に受験申込書の内容や論文の内容が技術士法第二条の内容と合致していないと、技術士とは認められない業務を行なっていることになるので不合格となる確率が高いです。
必ず技術士法はよく確認して今後の勉強や受験申込書の作成、および論文作成の練習を行っていきましょう。
2.技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)を理解する
2025年現在の技術士試験はコンピテンシーに基づいて評価されており、筆記試験および口頭試験両方でコンピテンシーの理解が求められます。
文部科学省のHPにコンピテンシーと試験別の対応表がアップロードされていますので、コンピテンシーの理解と筆記試験および口頭試験とどう対応しているのか?よく確認しましょう。
3.「修習技術者のための修習ガイドブック」を熟読する
これは基本です。まずは「修習技術者のための修習ガイドブック」を熟読しましょう。この中にはどのように修習を重ねて技術士となっていくかが書いています。
特にこの中には以下のような重要なことが書いています。
- 目的と目標の違い
- 求められる資質・能力
- 問題分析
- 技術業務のマネジメント
- リーダーシップ
- 法と倫理
- 継続研鑽
つまり
- 「技術士とは何か?」
- 「どういう行動をしている人が技術士か?」
- 「どのように修習を重ねれば技術士になれるのか?」
を書いています。つまり、この後に筆記試験の勉強をすると思いますが、このような行動を意識して論文を作成すればいいだけです。
意外と「修習技術者のための修習ガイドブック」を読んでいない人も多いですが、「技術士になりたい」「二次試験に合格したい!」のであれば必読です!
読んでいない人は必ず読んでください。これは無料でダウンロードすることができます。
4.業務の棚卸しをする
「修習技術者のための修習ガイドブック」を熟読後に、自分の業務の棚卸しをしましょう。これは受験申込書の中の「実務経歴証明書」を書くために非常に重要です。
自分の技術部門、選択科目を明確にする。
→逆に切り口を変えると色々な部門へ応用できる
受験申込書の実務経験証明書の記入が簡単になる。
口頭試験対策になる。
なぜなら「実務経験証明書」は単に「これをやりました」ではなく技術士として「どんな機器や製品をどんな目的で何を工夫して解決したのか?」という点で記載する必要があります。
そのためには自身のこれまでの業務経験を「技術士にふさわしい」という点でブラッシュアップする必要があります。そのためには、「技術士法」と「資質能力(コンピテンシー))に基づいて、自分がどのように業務をおこなってきたかを詳細に棚卸しをしましょう。
この時に注意すべきは上記に記載の通り、技術士法第二条に記載のある「科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務」を記入するようにしましょう。また、コンピテンシーに基づき、どのように行動してきたかも重要な評価ポイントです。
ここで注意すべき点は
- ”業務”よりも”職務”と考える。
→業務はプロジェクト、職務は個人でやる職種
×◻︎◻︎プロジェクトの計画:これでは何をしているのかよくわからない。
◯◻︎◻︎プロジェクトにおける△△を⚫︎⚫︎により解決した◾️◾️設計:ちょっと長いけど、技術士にふさわしい業務だと理解できる。 - 地位・職名は「係長」「課長」よりも「設計員」「設計主担当」「設計責任者」などの方が良い。
→会社からの役職ではどの程度の責任があるのか理解できない。 - 業務報告ではなく直面した問題に対してどういう課題を立てて、創意工夫により解決したのか?そこに自分がどういうリーダーシップ、マネジメント、コミュニケーションを発揮したのか?最終評価は?という観点から記入していく
- 発明、発見、特許取得などまでは求められていない。
- 「会社からの表彰」「社会からの表彰」は必要ない。技術士試験では「個人の専門的応用能力と資質能力」が評価対象となるため、表彰歴よりも業務の中で自ら発揮した能力を明確にすることが重要です。
- 試験官が知りたいのは、問題の背景、課題、問題点、技術的解決策、リーダーシップ、マネジメント、コミュニケーション、評価。
- 業務の棚卸しをしっかりとすればするほど、受験申込書の「業務内容の詳細」が書きやすくなる。
以上の注意点をもとに業務の棚卸しを丁寧に行いましょう。これは1日、2日では難しいと思います。もし可能であれば仕事で使用した資料も準備をしておくと便利です。ただし、仕事の資料というのは会社の秘密資料でもあるので、持ち出しても良いかはよく確認しましょう。
私はExcelにフォーマットを作りそこに書くコンピテンシーごとに入力していきました。業務の棚卸しをすることで「業務内容の詳細」を書きやすくなりますので、ぜひ活用しましょう。自分の専門科目を決める時にも便利ですよ。
5.二次試験の技術部門と選択科目を決める
「いやいや!受験申し込みは3月末から始まるんだからその時点でいいでしょ!」
確かにその通りですが、受験申し込み期間は2週間程度しかありません。その時に慌てて受験申込書を作りながら
「うーん?選択科目はこっちかな?でもこっちもいいかな?そもそも、技術部門はこれでいいのかな・・・?」
と迷っている暇はありません。そんなことをしていれば最も重要な「実務経験証明書」作成にかける時間が少なくなります。
技術部門と選択科目を決める方法は以下のようにして決めてみましょう
技術士二次試験の過去問を確認し、自分の業務と近いものを選ぶ
→特に選択科目Ⅱー1を確認する。
できれば色々な切り口から検討する。
→そのためには関係ないと思われる分野の過去問も確認する。意外なところで合致するかも!?
技術士に相談する
→特に業務経歴書をみてもらい、どこの分野が適切かアドバイスをもらう。
以上のことをして、技術部門と選択科目を早めに決めましょう!
6.技術士二次試験とは何か?を勉強する
いきなり勉強を始める前に「技術士二次試験」とは何かを勉強しましょう。これに関しては色々な本が出ていますが、おすすめは「独学・過去問で効率的に突破する! 最新版「技術士試験」勉強法」です。
これ1冊で口頭試験対応までできますが、Ⅱー1対策として必要なキーワード対策はできないのでこれ1冊で対策するのは少し危険です。
このほかに、私は新技術開発センターのセミナーがとても役に立ちました。2024年当時は
- 「2024年度(令和6年度)技術士二次試験合格のポイントー受験対策のポイントと対策講座ガイダンスー」
- 「2024年度の技術士二次試験はこうなる!」
の二つを受講しましたがどういう勉強をすれば良いのかとても参考になりました。ただちょっと値段が高い(10,000円以上する)のが少しネックですが、私のように同僚や先輩に技術士がおらず勉強方法などがわからない場合は参考になります。
「独学・過去問で効率的に突破する! 最新版「技術士試験」勉強法」
まずは事前準備をしっかりと!
以上、技術士の勉強を決意してから最初に行なってほしいことをかきました。
実際私はこれらのことを行なっておらず、試験勉強中に「修習技術者のための修習ガイドブック」や業務の棚卸しをして、無駄に時間を使いました。合格できたは正直運も良かったのかもしれません。
みなさんはこの記事を参考に準備をすることで、受験申込書の作成からつまづくことなく試験対策を進めていってください!
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