【プラント設計の基礎】配管口径・配管サイズを決定する”超”簡単な方法【プラント配管設計】

みなさんこんにちは、プラントエンジニアのヤンです。

プラント配管を設計する上で避けて通れないのが配管口径の決定です。適切な配管口径でないと無駄な圧力損失が発生したり、逆に配管の施工費用が大きくなることになります。

配管口径を決める要素は流量と流速であるので、プラントとしてどの程度の流量を流す必要があるのか?流速はどの程度まで許容されるのかを決定すればかんたんに計算できます。

しかし、実際にいちいち計算していては非常に面倒なので実際に僕が行っている”超”簡単な方法を紹介します。

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目次

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配管口径・配管サイズの決め方とは?

配管口径・配管サイズの簡単な決め方を紹介する前にセオリー通りの方法を紹介しましょう。

基本的に流量というのは

Q(流量:m3/s)=A(面積:m2)×V(流速:m/s)

で計算することができます。つまり配管口径というのは

A(面積:m2)=Q/V

で表すことができ、この式を整理すると

d(直径:m)=√((4×Q)/(π×V))

で計算することができます。まぁ簡単な計算ですが平方根の計算があるので関数電卓がないと非常に難しいですよね。

それに設計のたびにいちいち電卓叩いているのも面倒だしいくらExcelで計算シート作ったとしても、打ち合わせの場とかでいきなり配管口径聞かれたらすぐに返答できません。

そのようなところでも「すぐに」「しかも間違いなく」配管口径を決定できる簡単な方法を紹介します。

各配管口径での流量と、自分が使う流速を決めておく

上記にある通り配管口径を決める要素は流量と流速ですが、流速によりその配管でいくらの流量が流れるか決定できます。

つまり

”超”簡単な配管口径の決め方
  • 自分が使う配管の1(m/s)での流量を一覧表にして常に持参しておく。
  • 同様に自分が使用する流体の基本的な流速を一覧表にして携帯しておく。
  • 例えばSGPの100Aは流速1(m/s)で約30(m3/h)流れる。ここで単位は(m3/s)だとわかりにくいので、(m3/h)にしておくのがおすすめ。
  • 使用する流体が計装空気で流速は10(m/s)とすると、SGPの100Aの場合は約300(m3/h)流れるとすぐに計算することができる。

これだけです。自分が使用する配管の1(m/s)の流量と基本的な流速を決めて持参しておけば、とっさの場合でもすぐに計算できます。

実際の設計でもいちいち電卓叩いたり、Excelで計算する必要もないので非常に簡単になります。

下記のは私がExcelで作成した表ですが、このようなものがあればいちいち計算する必要がなくなります。

自分が使用する配管の1(m/s)の流量と基本的な流速を決めて持参しておけば、とっさの場合でもすぐに計算できます。
自分が使用する配管の1(m/s)の流量と基本的な流速を決めて持参しておけば、とっさの場合でもすぐに計算できます。

このようなものを作成して持ち歩いています。もちろんExcelで作っていますけどね。

流量一覧表と流速一覧表はラミネートして持ち歩くのもいいですが、私は無くしそうなので「アピカ レインガードメモ」に貼り付けて持ち歩いています。

メモ帳なので現場でのメモに使えるし、しかも耐水性があるので屋外でも問題なく使用できるので非常に重宝しています。

もちろんボールペンも「三菱鉛筆 加圧ボールペン パワータンク」を使用しています。油性なので水に濡れても大丈夫ですし、何よりこのボールペン加圧されているので途中で出にくくなることがないのでとても便利です。

アピカ レインガードメモ

三菱鉛筆 加圧ボールペン パワータンク

適切な配管流速は?

ここで一つだけ問題となるのが配管流速です。おそらく社内規格などで決まっていると思いますが、私の会社のように全然決まっていなくてなんとなく配管口径を決めているところもあると思います。

そのようなときには当ブログでも何度もおすすめしている「配管設計・施工ポケットブック」に基本的な配管流速が書いてあるので参考にしてみてください。

ちなみに私は

私の配管流速
  • 一般的な気体:10(m/s)
  • 水などの流体でポンプ入口側:0.5(m/s)
  • 水などの流体でポンプ出口側:1(m/s)

としています。他にも粘度ごとの流速やタンク内の自然落下水なども決めていますが、そのへんは割愛しています。

おそらくこの数字は分かる人が見れば「え!?余裕見すぎじゃない?」と言われると思いますし、自分でも余裕見ていると思います。

しかしその理由としては

流速に余裕を見る理由
  • なるべく配管圧力損失を低くしたいので。
  • ポンプ入口側ではキャビテーションを防止するため。
  • 余裕を持って設計しておけば、少しくらいのスケールアップであれば対応できるので。

という理由で余裕をみています。もちろんこの数字が絶対ではなくて実際の設計などで変更していけばいいと思っています。

なのでみなさんも実際に自分が設計するプラントに合わせて基本的な流速は決めておくとしても、臨機応変に変更できるようにしましょう。

配管設計・施工ポケットブック

いちいち計算しなくていいのでおすすめ

実際に私が行っている配管口径の選択方法を紹介しました。打ち合わせ中や現場でもメモ帳を見ればすぐに計算できるので非常におすすめです。

私の考えている流速ではちょっと余裕を見ているので、配管口径も若干太めになりますがそのへんは実際の設計に合わせて調整していけば問題ありません。

とても簡単な方法なので皆さんも試してみてください!

アピカ レインガードメモ

三菱鉛筆 加圧ボールペン パワータンク

配管設計・施工ポケットブック

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