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【現役プラントエンジニアが解説】工場の安全管理がうまく行かない超簡単な理由【KYT、リスクアセスメント】

2021年5月21日

建設現場や工場で労働災害が起きると人の人命に危険が及ぶので絶対に避けなければなりません。

しかし、実際に私の会社でもそうですが年に何回か労働災害が発生してしまいます。

はっきりいって私のように数多くのプラント建設現場で施工管理をしてきた人から見ると、「こんな安全衛生体制ならそりゃ事故起こるわ」って感じるのと、本質は超簡単な理由なのでそのあたりを解説していきたいと思います。

そもそも「安全管理」をわかっていない人が安全管理をしている

そもそも安全管理をしている人は「安全管理」について理解していますか?

私の会社もそうですが

よく労災が起きる工場でありがちな安全衛生体制
  • 定年間近の人をとりあえず安全担当に
  • 元は工場の作業員や事務員だったので安全管理の経験がない。
  • KYT、リスクアセスメントの正確な方法がわからないし教育を受けたことがない
  • 安全管理の本質がわからない!

こんな人が安全管理を担当していてはそりゃ安全管理ができていないんだから、事故は起きて当然です。

そしてありがちになる悩みが

ありがちな悩み
  • 「なんでこんなに保護具を着用させているのに事故が起きるのか?」
  • 「なんでこんなにKYTとリスクアセスメントをしているのに事故が起きるのか?」

という悩みをよく聞きますがそもそも安全管理の本質がわかっていないのでこのような悩みが起きるのです。

安全管理に関する大きな誤解

安全管理に関する大きな誤解はなにか?私がよく感じるのは下記のようなところです。

  • 保護具に関する誤解
  • KYTに関する誤解
  • リスクアセスメントに関する誤解

一つずつ解説していきましょう。

保護具に関する誤解

保護具に関する誤解でありがちなのが

  • 「つけていれば事故は起きない」

というところです。

実際は保護具をつけても事故は起きますし、保護具が有効に働いたときはすでに事故が起きています。

つまり保護具は事故を防ぐものではなく、事故の際に被害を少しでも軽減するものなのです。

同様に保護具をつけていても

誤った保護具による災害
  • 安全帯の使用方法誤って息ができなくなり死亡。
  • 落下時に安全帯が伸びたが振り子のように振られ激突。
  • 落下した際にヘルメットのあご紐をつけていなくて、ヘルメットが外れ頭部を強打して死亡。
  • 携帯型酸素濃度計のアラームを切って作業していて、酸素濃度低下に気づかずに死亡。

このように誤った使用方法をすれば、重篤な災害が起きてしまいます。

そのため保護具=事故を防ぐものと言う考え自体が間違いなのです。

KYTに関する誤解

KYTとは何でしょうか?その名の通り危険予知訓練ですがこれもはっきり行ってわかっていない人が多いです。

ありがちなKYTが

ありがちでだめなKYT
  • 保護具をつけていないので危険→じゃあ保護具を使用

という流れが非常に多い!はっきり行ってこれは何もわかっていません!

事故というのが起きるのはどのようなときでしょうか?

それは「危険な状況」と「危険な行動」が両方発生したときです。

そのような状況を考えて「じゃあどうやって危険を回避するか?」を考えるのが正確なKYTです。

何でもかんでも保護具をつければいいという考えは、後で解説するリスクアセスメントもそうですが何も考えていないことと同じです。

リスクアセスメントに関する誤解

こちらもKYTと同様ですがわかっていない人が多いです。

リスクアセスメントは「工事や作業のリスクを算出して、そのリスクを低減させるために何をするか?」ということを考える事が必要です。

ここでありがちな間違いとしては

ありがちでダメなリスクアセスメント
  • 高所で身を乗り出してバルブ操作を行う。
  • リスクは?高所からの落下
  • その対策が安全帯を着用する

これははっきりいって対策になっていないですよね?落下というリスクはなくなっていないので。

もちろん、安全帯を着用することにより落下して死亡するリスクは減りますが、落下によるリスクは軽減していません。

ここで正確な対策としては

正しい安全対策
  • バルブを身を乗り出さないで作業できるようにする。
  • バルブを作業床の上に移動する。
  • バルブを自動化して高所まで行かないで作業できるようにする。
  • そもそもバルブを操作なくせないのか?

これが正確なリスクアセスメントです。

つまり物理的な対策が一番効果があるということ、さらに「その作業をなくす」ことが一番の安全対策ということがわかっていないのです!

やるだけKYT、リスクアセスメントはバカを育てる

このようなやるだけKYT、リスクアセスメントはバカを育てます。私の会社であった一例として

私がめちゃくちゃ怒った一例
  • 現場でKYTを実施。
  • 同じ社員に「この工事の危険箇所はなにか?」と質問
  • 答えがまさかの「いきなりそんな事言われてもわからない」
  • 「お前この会社の社員で外部業者に仕事を依頼するんだから、お前が工事に関する危険なところわからなくて誰がわかるの?」と私がブチギレ
  • 「そんな態度だったらいつか作業員殺すから現場監督今すぐやめろ」とさらにブチギレ

という事例がありました。まぁ人間的に問題がある人でしたけど

こいう人が我が物顔で現場監督していると思うと、非常に怖いですね

本質的な安全対策ができない

KYT、リスクアセスメントができなければ本質的な安全対策ができません。

特に工事現場や工場というのは危険がいっぱいです。そこですぐに危険箇所を判断するのは経験が必要です。

なのでこのような安全管理をするのは工事現場や工場で工事などに携わり、安全に関して多くの経験を積んできた人が行うのが一番なのです。

まとめ

まとめ
  • 経験がない人が安全管理をしようと思っても本質を理解していないので安全管理なんてできない。
  • 保護具は事故を防ぐものでないと理解する。
  • やるだけKYT、リスクアセスメントはバカを育てる。
  • 危険箇所の発見は経験が必要。だから経験者が安全管理の先頭に立つべきだし、若い人に指導する。