専業プラントエンジニア vs. 工場勤務プラントエンジニア:どっちがいい?

実際にプラントを設計する人とそのプラントを維持しながら更新する人がいますよね?どう違うんですか?

そうだね、前者は専業でEPC会社に勤めている人、後者は工場で勤務しているエンジニアかな

どちらの方がワークライフバランスとか考慮するといいですかね?

その人自身の主観もあるので一概にどちらがいいとは言えないかな。僕もEPCから工場勤務に転職したので簡単に解説しよう

プラントエンジニアを目指す人にとって、「専業プラントエンジニア」と「工場勤務プラントエンジニア」のどちらを選ぶかは重要なポイントです。それぞれの特徴や働き方の違いを比較しながら、就職・転職を考える際の参考になるように解説していきます。

実際に私は専業プラントエンジニア(EPC)で10年、その後工場勤務のプラントエンジニアとして10年働いています。どちらがいいというのはその人の主観も大きく影響しますが、今回は私の経験も交えてお伝えして行きます。

目次

1. 仕事内容の違い

まずは仕事内容の違い。専業はその名の通り設計主体だけど、工場勤務では設計以外にも色々な仕事があるよ

専業は設計に集中できるけど工場勤務は色々な仕事があるんですね

専業プラントエンジニア

専業プラントエンジニアは、プラントの設計や建設、改修を専門に行うエンジニアです。多くはエンジニアリング会社やプラントメーカーに所属し、設計業務やプロジェクト管理を担当します。具体的な業務としては、

  • PFD(プロセスフロー図)やPID(配管計装図)の作成
  • 機器の選定や仕様書の作成
  • 配管設計やストレス解析
  • 工事のスケジュール管理や施工管理
  • 試運転・立ち上げ支援

といった、プロジェクト全体に関わる業務がメインとなります。自分が手を動かすのは設計やプロジェクトマネジメントという感じであり、機器の製作や工事に関して手を出すことはほぼありません。

工場勤務プラントエンジニア

一方、工場勤務のプラントエンジニアは、稼働しているプラントの設備管理やメンテナンスを担当します。製造業の工場に勤務し、以下のような業務を行います。

  • 設備の点検・診断
  • 改修計画の立案と実行
  • トラブルシューティング
  • 予防保全の実施
  • 設備投資の計画・導入

工場を安定稼働させることが最優先で、現場対応が多くなります。もちろん新規設備導入の際の検討も多いですが、専業プラントエンジニアがほぼ100%新規設備・プラント設計なのに対して、工場勤務の場合は保全関係の仕事の比率が多くなります。

また実際に設備に不具合が発生すれば修理することが必要となります。ものによっては専門家に指示することが必要ですが、簡単な場合、また、計画保全などで決まっている場合は自分たちで手を動かすことも発生します。

2. 勤務時間・残業時間

次に気になる残業時間だ

こう見ると専業の方がワークライフバランスはとりやすそうだけど・・・

ぱっと見はそうだね。だけど残業時間は恐らく専業の方が多いよ

項目専業プラントエンジニア工場勤務プラントエンジニア
勤務時間9:00~18:00(設計業務)シフト制や8:00~17:00が多い
残業時間プロジェクト次第で繁忙期は多め
残業時間は多い
設備トラブル時に夜間対応あり
緊急呼び出しもある
何もなければほぼ定時
夜勤なし
ただし試運転の際はあるかも
あり(保全対応時)

専業プラントエンジニアは基本的にオフィスワークが中心で、基本的に残業が多い仕事です。特にプラント建設が佳境になると残業は当たり前ですし、プロジェクトが炎上すれば残業は当たり前です。

一方、工場勤務では設備トラブル対応のため、夜間や休日の呼び出しがある場合もあります。また、定修と呼ばれる時期(会社によってはお盆と年末年始)は周りの人が休んでいても出勤となります。

3. 出張の有無

出張が多い方が好きという人もいますよね

そうだね。でも何ヶ月もの出張になるとそれこそ人によりそれぞれだよ

項目専業プラントエンジニア工場勤務プラントエンジニア
出張頻度多い(国内外の現場対応あり)ほぼなし
期間1週間~数ヶ月数日程度

専業プラントエンジニアは、国内外の現場に出張して工事管理や試運転の立ち会いをする機会が多くなります。特に海外プラントを担当する場合、長期出張の可能性もあります。プロジェクトによっては年単位での出張が非常に多いでしょう

一方、工場勤務の場合は、基本的に自社工場内での業務が中心で出張は少なめです。関連会社があればそこへの出張などもあるかもしれません。特に関連会社が複数ある場合は異動なども発生するので、必ずしも地元だけで働けるとは限りません。

4. 年収の比較

一番気になる年収!そんなに変わらない??

これはどうしても会社によるからね・・・。工場勤務で残業が少ないと残業代が当てにできないからね

項目専業プラントエンジニア工場勤務プラントエンジニア
初任給約22~25万円/月約20~23万円/月
平均年収600~900万円500~800万円
昇給スキル次第で早めに昇給安定した昇給

専業プラントエンジニアは、海外案件や大型プロジェクトを担当すると年収が高くなる傾向があります。また、残業が多いのでその分年収が高くなる傾向にあります。

一方、工場勤務のエンジニアは現場経験を積みながら安定した昇給が見込めます。しかし、残業が少ない分残業を目当てで仕事をするのは難しいでしょう。会社によっては残業時間が制限されているところもあります。

ただし、年収は会社によって大きく変わるので一概に評価することは少し難しいです。会社によっては元々の基本給が高いところもあれば、見込み残業などを支給しているところもありますので、入社前に会社の給与体系をよく確認しておくことが必要です。

まとめ:どちらを選ぶべきか?

結局どっちがいいんですかね?私は設計に集中したいから専業の方がいいのかな?

新規設計や大きなプロジェクトに関わりたいのであれば専業だね。近頃は海外も多いし、海外での仕事も増えると思うよ

  • 専業プラントエンジニア向きの人
    • 設計やプロジェクト管理をやりたい。技術の最先端に携わる機会が多く、スキルアップしやすい。より専門性の高い知識を身につけ、エンジニアとしての市場価値を高めたい人に向いている。
    • 海外や全国の現場で活躍したい。国内外問わずさまざまなプロジェクトに携わることができ、経験の幅が広がるため、グローバルな視点を持つエンジニアになりたい人に適している。
    • 年収アップを狙いたい。プロジェクト単位の報酬が高めで、経験を積むほどに高収入を得ることが可能。マネジメントスキルを磨けば、より高いポジションを目指すこともできる。
  • 工場勤務プラントエンジニア向きの人
    • 設備の維持・管理に興味がある。安定した環境で長期的に設備に関わることができ、運転効率の向上やコスト削減に貢献したい人に向いている。
    • 地元で安定して働きたい。転勤や長期出張を避け、家族やライフスタイルを大切にしながら働きたい人には理想的な職場環境となる。
    • ワークライフバランスを重視したい。休日や勤務時間が比較的安定しており、プライベートの時間をしっかり確保しながら働くことが可能。家庭や趣味の時間を大切にしたい人に向いている。

どちらの道を選んでも、プラントエンジニアはやりがいのある仕事です。自分のキャリアプランやライフスタイルに合った選択をしましょう!

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