20年以上にわたりプラント設計や工場設計に従事してきた経験から、プラントや工場では常にエネルギーの節が要求されています。プラント施設の運営において、エネルギー効率の向上はコスト削減だけでなく、環境保護への寄与も果たします。今回の記事では、プラント施設でのエネルギー節約の方法とその重要性について詳しく解説します。
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エネルギー節約の基本的なアプローチ
日常の行動、例えば照明を消すこと、設備の待機時間を減少させること、圧縮空気の漏れを修理することや蒸気のロスをなくすことからから、エネルギー点検や圧縮空気管理システムの導入まで、プラント施設でのエネルギー節約には様々な方法があります。今回は新規設備を入れるというよりも、スモールスタートという感じで日々の設備の細かいロスを減らすことを重点に考えていきましょう。
照明と圧縮空気の漏れについて
照明を消すことや設備を停止させることは節約に大きく寄与するだけでなく、資源の保護と無駄の防止としても機能します。圧縮空気の漏れの修理はさらに大きな節約をもたらすことができます。
私の経験から、圧縮空気の漏れは時間とともに生じ、しばしば気づかれないか無視されることが多いです。工場が停止している際に漏れの音を聞く古典的な方法や、超音波検出器を使用して漏れを検出することができます。超音波検出器は音波を検出するだけでなく、予防保全にも利用することができます。
また圧縮空気のシステムを見直すことも効果的です。古いコンプレッサーであれば効率の低下なども起きていることもあるので、定期的な更新の検討が必要です。また、圧縮空気の使用量に応じて適切なレシーバータンクを設置することも重要です。
レシーバータンクにたとえば0.6MPaGで貯蔵して、直後に減圧弁で0.4MPaGで減圧して使用すればその差圧分はレシーバータンクで余裕ができていることになります。それによりコンプレッサーの稼働時間を減らすことができます。
蒸気の漏れとスチームトラップ
圧縮空気だけでなく蒸気の漏れも大きな問題となります。蒸気が漏れていればそれだけ余分にガスをを燃焼させて蒸気を作る必要があります。そのため、蒸気の漏れも同様に定期的にチェックと修理が必要です。
同様にスチームトラップの点検も必要です。蒸気は常にドレンが発生するので、そのドレンを排出する必要があります。この時に必要なのがスチームトラップですが、これが壊れてしまうと「吹きっぱなし」になってしまい、余分な蒸気が排出されます。
そのためにスチームトラップの点検も必要ですが、一部のスチームトラップは破損しているかの判断が難しいのでメーカーに依頼することが無難です。現在ではオリフィス式と呼ばれる破損が少ないスチームトラップもあるので、そのようなものも検討して交換していくのも一つの手です
最後に配管の保温が剥がれていたり劣化していれば交換しましょう。
プラント/工場内のエネルギーを管理する。
次にプラントや工場ないのエネルギーをしっかりと管理しましょう。エネルギーの管理はエネルギーを節約する方法を特定するとともに、税金や公共料金の節約のチャンスも見つけることができます。エネルギーといっても電気代だけではなくガスも管理することが必要です。どこでどの程度エネルギーを使用しているかを明確にして、報告書を評価し、実施する項目を自分の判断で選びましょう。
古い蛍光灯や水銀灯の交換も効果的な手段です。まだまだ使える蛍光灯や水銀灯の交換は少し疑問が湧くかもしれませんが、これらをLEDにすることで電気代を削減することができます。もちろん使えるものを全て一気に交換することは費用もかかるので、計画的に交換していくことが必要です。
水銀灯は天井に取り付けられていることも多いので、工場の定修時などに計画的に交換しましょう。
電気の効率とその影響
電気の効率は、電源と負荷間の電流の増加を引き起こす無効電力の尺度です。電力会社は、この追加の電力をカバーするために電気の効率の補正料金を請求します。無効電力は通常、電動機のインダクタンスによって引き起こされ、電気システムにコンデンサを追加することで補正することができます。コンデンサのコストは、回路内の配置に応じてそのサイズに基づいています。
大きなモーターに適用する場合、電気の効率の補正は通常最も効果的です。コストを正当化するために、購入する前に電気の節約を理解することをおすすめします。
まとめ
エネルギー節約は、経済的な利益だけでなく、環境への負担軽減という大きな意義も持っています。照明の最適化、エネルギー点検、電気の効率の調整、圧縮空気の漏れの修理や効率化など、さまざまなアプローチが考えられます。
重要なのは、継続的にエネルギーの無駄を見直し、適切な投資と実施を行うことです。プラント運営者やエンジニアの皆さんにとって、この記事がエネルギー節約の一助となれば幸いです。
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