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【プラント設計の基礎】ポンプの超基礎:遠心式

2019年3月13日

現役プラントエンジニアが教えるプラント設計の基礎知識。

学校では教えてくれないことを中心に、実務に直結する内容を書いていきます。今回は「遠心ポンプ」について語ります。

遠心式ポンプは容積式ポンプと比べて取り扱いが簡単なので、多くのところで使われています。

では遠心式ポンプの基本的な構造はどうなっているのでしょうか?

>>【プラント設計の基礎】ポンプの超基礎:容積式

>>【プラント設計の基礎】容積式ポンプと遠心式ポンプの違いと使い方を解説!

 

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遠心ポンプの原理

以前解説した容積式ポンプと同じように、遠心式ポンプにも回転部品があります。

しかし、その容積変化により液体を移送する容積ポンプとは異なり、遠心ポンプは液体を移動させるのに運動エネルギーを利用します

遠心ポンプの場合、運動エネルギーはポンプ内の回転部分によって発生し、ポンプ内に含まれる液体に伝達されます。

言い換えれば、液体は遠心力によってポンプを通って吐出口から供給されます。

この概念を説明するために、底に小さな穴があいているバケツのハンドルにロープを結び付けたものを想像してみてください。

これで、バケツを水で満たすとどうなるでしょうか?重力のおかげで水は穴から滴り落ちるだけです。

しかし、ロープを手に取り輪の中でできる限り速くバケツを回転させます。この急速な回転が遠心力を生み出し、その結果穴からかなり強力な水流が発生します。

バケツを速く回転させるほど、流れは強くなります。

遠心ポンプの構造

遠心ポンプに関しての構造は、水を円の周りに強制的に回転させて、ポンプからそれを排出することです。下記の図が遠心ポンプの基本的な構造です。


Wikipediaより引用

これは羽根車と呼ばれる回転部品で達成されます。

この図では、インペラは電気モーターなどの何らかの機械的エネルギー源によって駆動されるシャフトに取り付けられています。

水は回転する羽根車の中心(Suction Side)からポンプに入ります。次に、水は遠心力の作用で羽根車の表面を滑り中心から端まで移動します。その力はそれをインペラからポンプハウジング内へ押し出します。結果として軸と直角の半径方向に吐き出されます。

ハウジングが「渦巻き」と呼ばれる特別な形をしていることに気付くでしょう。この渦巻きは、渦巻き状のカタツムリの殻のように見えます。

渦巻きの形状はインペラから出てくる水を、ポンプの側面の排出口に導くのに役立ちます。ポンプの羽根車が速く回転するほど、水が羽根車から取り上げる運動エネルギーが多くなります。

キャビテーションとは?

ポンプの運転時に発生する問題としてキャビテーションがあります。これは液体中の圧力がその時の温度の蒸気圧よりも低い部分が生じて、液体の蒸発や溶融しているガスにより小さな気泡を多数発生する減少です。

この気泡は振動や騒音の原因になるだけでなく、気泡が羽根車やケーシングに付着して破壊するとその際の衝撃波によりエロージョンが生じます。

なお、基本的にキャビテーションは圧力が低くなる所、ポンプの吸い込み側に発生しやすいので

キャビテーションを発生させないための対策
  • ポンプの入り口配管径を太くして流速を0.5〜1m/sに抑える。
  • なるべく液温が低くなるようにする。
  • 有効吸い込み揚程(NPSH:Net Positive Suction Head)に注意する。
  • ポンプの吸い込み位置をできるだけ下げて吸い込み揚程を小さくする。
  • ポンプの回転速度を下げる。
  • 吸い込みの液面を上げる。
  • 吸い込み液面圧力を上げる
  • 液体中の混入ガスを少なくする。

これらを注意することでキャビテーションを防ぎましょう。

サージング

サージングはキャビテーションと似ている現象です。基本的に気体の圧縮に使用するターボ型ブロワに発生する現象ですが遠心ポンプでも発生する場合があります。

ポンプ出口側で圧力が急激に変化すると液体の搬送が不安定となり、振動が発生するので注意が必要です。

サージングの防止対策
  • 吐出配管に空気溜まりなどを生じさせないようにする。
  • 配管途中に貯槽などを設けない。
  • エア弁を設けて試運転段階でエア抜きをしっかりとする。

以上の対策をすることでサージングを防ぐことができます。

使用上の注意点

実際に遠心ポンプを使用する場合の注意点です。容積式ポンプと比べると扱いやすいポンプですが注意点は色々必要です。

遠心ポンプの使用上の注意点
  • 入り口配管径はなるべく太くして流速は0.5〜1m/sに抑える。
  • 出口の流速は1〜2m/sになるように設計する。
  • 出口には必ず逆止弁を設ける。逆止弁のあとに手動弁を設ければ逆止弁の交換が行いやすくなる。
  • 流量調整を行いたい場合はバルブで行うか、インバーターで行うのが良いかよく検討する。バルブであれば簡単であるがインバーターよりも省エネ効果が小さい。インバーターは省エネ効果が大きいが吐出圧が下がる。
  • NPSHに注意する。
  • 吸い込み揚程はできる限り小さくする。
  • 吸い込み液面圧力をあるべく上げる。
  • 常時運転しているが吐出側を閉じていることが多い場合にはミニマムフローラインを設ける。

遠心ポンプのトラブルとその原因

遠心ポンプに関するトラブルとその対処法をまとめています。

振動・異音の発生

キャビテーション、サージングなどが発生した場合に起こるので、設計段階で流速やNPSHをよく検討することが必要。空気を吸い込んでいないかも確認すること。

圧力計の指示が異常

何らかの原因で回転数が低下したり漏洩があると、圧力計の数値が下がる。吐出配管に物が詰まると圧力計の数値は上がる。

キャビテーションやサージングが発生すると圧力計の指示が不安定になる。

モーターの過負荷

遠心ポンプは計画よりも高い吐出量で運転すると軸動力が高くなるのでモーターの過負荷につながる。同様に液体の密度や粘度が高くなると同様に過負荷につながる。

また、インペラになにか詰まって抵抗になると同様に過負荷につながるので、異物が入る恐れがあるときはストレーナーを設置する(ただし圧損に注意!)。

吐出量の減少

使用開始時に正常な吐出量だったのに運転後に下がった場合は羽根車の摩耗などが考えられるので点検をする必要がある。

また、配管内に何か異物が詰まったりスケールで閉塞すると吐出量が減少する。

発熱

締切運転を長くすると液体がケーシングの中でかき回されて発熱する。発熱するとキャビテーションが発生して振動や騒音の原因、羽根車の損傷などが起こる。

プロセス設計上でどうしても締切運転を長くする場合は、ミニマムフローラインを設けて吐出側の最低流量を確保して温度上昇を抑える。

まとめ

遠心ポンプはいろいろな産業で使われている汎用性の高いポンプです。

汎用性が高い反面、使用方法に気をつけ合いと大きなトラブルに繋がる恐れがあるので、配管設計やプロセス設計で注意が必要です。

別の記事ではもう少し詳しく各ポンプの違いや、運転方法などを解説したいと思っています。

ポンプの選定とトラブル対策-現場で起きた故障事例と対処法-

>>【プラント設計の基礎】ポンプの超基礎:容積式

>>【プラント設計の基礎】容積式ポンプと遠心式ポンプの違いと使い方を解説!

 

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