高卒レベルでも合格できる!電験3種合格テクニック!【その2:理論】




初学者が電験3種をとるに当たって一番の壁は理論です。理論は暗記で合格するのは難しい。逆に基礎さえしっかり押さえてしまえばむしろ一番点数を取りやすい科目と言えるかもしれません。ここでは電験3種理論を通過するために優先的に勉強すべき所とその勉強法について述べます。

ここでは公式の詳細の記述は割愛します。【合格体験記】高卒レベルでも合格できる!電験3種徹底解説!【その1:はじめに】にて紹介した参考書を参考にしてください。参考書では電気回路、電磁気、半導体、計測回路をほぼ等価に扱っているが、理論の実際の出題率は電気回路、電磁気合わせて7割を占めるため、理論の学習における電気回路と電磁気の占めるウエイトは非常に高いです。

これら二つは後々機械や電力を勉強する際にも役立つ為、電験3種学習内容の中で最も重要な内容です。

参考書の解説を読んだら例題を解くわけですが、解けなくても心配はありません。その場合は、考察過程も含めた回答をノートに移し、時をおいてまた解いてみる、という方法で学習を進めると良いとおもいます。

二、三回繰り返せば頭がその考察過程を覚えており、自力で解けるようになっているはずです。その際は学習した基礎的な公式を使って解けるかという事も地道に一問ずつ考えると力がついて、少し捻った応用問題が出てきても対応出来るはずです。

1.線形回路(キルヒホッフ第1法則、第2法則)

これは理論を勉強する上で絶対に避けては通れない法則です。

高校物理では直流回路のキルヒホッフの法則の運用について学ぶが、これは交流回路においても等しく適用可能です。この二つの法則を使って連立方程式を組めば、問題文で与えられた情報を使って、求められた部分の電圧あるいは電流を算出することができるます。

参考書の例題を使って、連立方程式を組んで、解く、という過程を習熟するまで何回も繰り返すのがおすすめです。

2.線形回路(定常交流回路、ベクトル演算法)

高校物理では直流回路がメインとなるが、大学の線形回路では線形素子の交流回路について学びます。線形素子とは抵抗、コンデンサ、リアクトルです。

交流電圧とは、ある一定の周波数(東日本だと50Hz)を持つ電圧のことです。日常我々がコンセントから使う電源は全て交流電源であるため、直流よりも圧倒的に出題割合は高い。

まず交流電圧および電流の波形(実効値100v 50Hzの交流電圧波形であれば、振幅141V、周波数50Hzのsin波となる)を覚えた後は、交流電圧が各素子に印加された場合どのような電流が流れるかを勉強します。例えば、抵抗に流れた場合、位相(波のずれ)はそのまま保持されて、オームの法則に従ってV/Rの大きさを持つ電流が流れます。

コンデンサに流れた場合、位相は90°進んでωCVの大きさを持つ電流が流れます。リアクトルの場合は位相が90°遅れてV/ωLの電流が流れる。

位相のずれとは波の大きさや形はそのまま、山谷の位置がずれるということです。何故ずれてしまうかということは電験3種では問われません。ここでは、ずれるということだけ覚えておけばよいです。

電流の振幅ですが、基本は中学校で習ったオームの法則と同じです。オームの法則は、I=V/Rです。その一般系はI=V/Zです。Zはインピーダンスと呼び、要は各素子の電流の通りにくさのことです。

コンデンサの場合、Z=1/ωCです。ωは角周波数の事であり、電圧の周波数が高ければ高い程電流を通しやすいという性質があります。

リアクトルの場合、Z=ωLです。コンデンサとは反対に周波数が高い程電流を通しにくい。

それぞれの素子の性質について理解した後は、素子が複数配置された回路に電圧をかけると、

  • 回路全体のどのような電流が流れるのか?
  • 各素子にどのような電圧が印加されるのか?

という問題を解くことになります。交流回路にもキルヒホッフの法則は適用出来るため、これを使うことになるが、直流回路と違うのはベクトル演算が必要になるということです。

ベクトル演算とは何か?例えば並列に抵抗とコンデンサが並んでいる回路について、これら二つの合流点で流れる電流は抵抗とコンデンサに流れる電流の和です。それぞれの電流の位相は90°ずれているため、単純に足し合わせることはできません。

そこで高校数学で習ったベクトル和の知識が必要になる。とは言っても単純にピタゴラスの定理で解くことが出来る簡単なものです。

3.線形回路(過渡応答)

線形回路(定常交流回路、ベクトル演算法)にて定常応答交流回路の学習要点について話をしました。今回の過渡応答はその名の通り、非定常応答であるスイッチをON/OFFした時に定常状態に至るまで電圧、電流が変化し続ける状態のことを指します。本来厳密に解こうとすると、微分方程式を使う必要があるが電験3種ではグラフを選ぶ簡単な問題がほとんどなので、定性的な挙動と時定数だけ覚えておけば問題ありまあえん。

直流回路の過渡応答は高校物理の範囲です。

  • コンデンサの過渡現象;スイッチON時に抵抗ゼロとなり、指数関数的に抵抗が無限大へと推移する。
  • リアクトルの過渡現象;スイッチOFF時に抵抗無限大であり、指数関数的に抵抗がゼロへと推移する。

以上の様にコンデンサとリアクトルは正反対の挙動を示します。

4.テブナンの定理、ブリッジ回路

  1. テブナンの定理線形回路(キルヒホッフ第1法則、第2法則)でキルヒホッフの法則を使って回路素子の電流、電圧を求めると書いきました。あまりに複雑な回路の場合、非常に時間がかかります。その様なケースで非常に力を発揮するのがテブナンの定理です。抵抗がぐちゃぐちゃに入り乱れた回路を低電圧源と合成抵抗に等価的に置き換えることが出来る定理であり、複雑な回路内において、ある素子に印加される電圧、電流値を知りたい場合計算が非常に楽にすみます。
  2. ホイートストーンブリッジ回路これも電験3種ではよく出題されます。ブリッジ回路の問題は定型化されていることに加え(真ん中の素子には電流が流れない)、キルヒホッフで解くのと、ブリッジ回路の公式を知っているのでは、回答時間に大きな差が出るので覚えておきましょう。公式を知っているものにとって、ブリッジ回路の問題はサービス問題である。

5.静磁気、電磁気

これらは今までの交流回路と違って、高校物理でやってきた内容に非常に近い。高校物理の電磁気の教科書を引っ張り出してきて、一番難しい問題群を並べたら電験3種のレベルに大体近いと言える。従って、まず高校物理の教科書(なければ前章でお勧めした参考書)を用いて電磁気の基礎をおさらいすると良いです。

  • 点電荷
  • 電界、磁界中の電荷の挙動
  • 磁気回路
  • フレミング左手の法則
  • ソレノイドコイル
  • 相互インダクタンスの計算

などが頻出項目です。

磁気回路と相互インダクタンス分野以外は全て高校物理の範疇です。

高校物理の内容を確実におさらいする事で、余程難しい問題でなければ電磁気の問題は対応可能です。高校物理をおさらい後、完全マスターに移り、わからない問題があれば、ネットで調べる、あるいはお勧めした参考書に当たる、という形で進めれば良いとおもいます。

6.三相交流

これは電験3種試験内で必ず出る項目であるが、非常にとっつきにくとと思われます。最悪、後回しにしてもよいです。電動機を動かす際などに必要なため、工場の受電はほぼ必ず三相交流です。暮らしに密着していない(コンセントは単相)が、生活を支えている重要な給電方式です。

始める際、下記のキーワードに注目して学習すると良いです。地絡や非平衡三相交流回路などは一旦後回しにしてもよいと思います。

  • 線間電圧、相電圧の計算
  • デルタワイ変換
  • 三相交流回路の電流、電圧、電力の計算

まとめ

以上理論を攻略するにあたって重要な学習項目を述べました。

学習順番は、1、2、5をに先に着手して時間をかけて基礎を勉強し、3、4に取り組むと良いです。6に関してはよくわからなければ、一旦後回しにして電力、機械を勉強してから戻ってきて改めて勉強してもよいと思います。実際の現場で三相交流がどの様な使われ方をしているか知ってからの方が理解がさらに深まります。