高卒レベルでも合格できる!電験3種合格テクニック!【その4:電力】




電験3種の中で電力は最も取りやすい分野と言われます。その理由は計算問題が4割程度と少ないこと。代わりに文章題が多く、多くの問題は定型化されているからです。ただ、電力分野は発電から変電、送電に至るまで覚えることは多岐に渡ります。加えて、覚える内容も電気だけでなく(例えば火力発電であれば熱力学)、多少毛色が違うので電気の知識がある程度ある人でも新たに勉強し直さないと合格することはできません。

電力科目の出題率で最も高いのは送変電です。機械同様変圧器の知識が必要であるとともに、送電線に関する知識も必要とされます。発電も出題率が高いが、毎年出題されるのは火力発電に関する問題であり、続いて水力、原子力発電となります。その他の発電方式(太陽光や風力)についても毎年ではないが出題されています。

電力を勉強するにあたって、まずは送変電を勉強し、火力発電、水力発電、原子力発電の順に押さえるとよいと思います。その他発電や、電気材料に関しては上記が全て終わってから余り時間を当てればよいです。

1.送電

送電に関する問題は計算問題が多い。主にその送電線の電圧降下(位相遅れ含む)、電力、損失、並行配線の充電容量を求めるもの、そして経路のパーセントインピーダンスを求める物です。電気の計算ではないが、送電線のたるみ量を求める計算問題もあり、これは出題率が高く、パターン化されているので公式は必ず暗記するべきです。

①:三相交流送電線の電圧降下、送電電力、送電損失

これらを三点セットとし、公式を覚えてしまうとよい。線形回路の知識があれば三点セットの公式は導出可能であるが、送電損失以外は難しいです。覚えてしまえば、それをそのまま適用できる問題が多いので丸ごと覚えてたくさん使う事が得策です。

②:遮断機、断路器

遮断機とは、系統で事故が発生した際や通電中に手動遮断したい場合に、アークを発生させずに電流を遮断できる機械のことです。真空遮断機、油遮断機、ガス遮断機などそれぞれの遮断機の特性を覚えて置く事が重要になります。

断路器とは、ただ電路を開放するもので、通電中に開くとアークが発生して大事故につながります。遮断機で電流を遮断した後、安全な作業環境を確保するため、断路器を開放します。これら開閉機器に関する問題は計算問題ではなく文章題で出題されます。

③:送電経路のパーセントインピーダンス

系統のある部分にて短絡事故が発生した時に系統を保護するため、短絡電流に耐える遮断機を選定しなければなりません。その短絡電流の算出に使用するのがパーセントインピーダンスです。

パーセントインピーダンスとは全負荷状態での、インピーダンス効果と相電圧の比を表したものです。変圧器の前後で電圧が異なるため、本来短絡電流の計算はかなり複雑になりますが、パーセントインピーダンスの考え方で計算する事で計算が簡単になります。

問題として多いのは、パーセントインピーダンスが先に与えられて、それを公式に当てはめて事故点での短絡電流を算出するものです。

④:送電線の特性、障害対策

架空送電線には、雷や塩害など様々な障害がつきまといます。更にたるみが許容範囲内となるよう設計しないといけません。これら課題をクリアするのが地中埋設方式であるが、建設コストは非常に高いです。地中埋設方式には管路式や暗きょ式などの種類があることも押さえるとよいと思います。

敷設方式によらない障害に関しては誘導障害などが挙げられます。非常に軽負荷時に受電点の電圧が送電点よりも高くなってしまうフェランチ効果なども文章題で頻出されるので押さえておきましょう

2.変電

変電とは変圧器のことです。三相変圧器にはその用途に応じた様々な結線方式があります。各結線方法について、その用途と特徴を確実に押さえておきましょう。

さらに電力では並行運転する場合の問題も頻出されます。並行運転可能な条件やその際の負荷分担など、計算問題にも対応できる必要があります。変圧器には系統保護のための保護装置が付いています。電流や電圧の異常を関知し、遮断機を遮断させることで速やかに健全な系統から切り離します。

①:結線方式

三相変圧器にはΔとYそしてV結線の三種類の結線方法があります。それを一次側、二次側で組み合わせて様々なタイプの変圧器とします。

例えば、一次側Δ結線、二次側Δ結線の変圧器はΔーΔ結線の変圧器と呼ばれ、第三次高調波をΔ巻線内に循環させるため高調波障害に強いという特長があるが、中性点の接地が取れないので低電圧の回路にしか使うことができません。これらの特長を文章題で問われる問題が多いです。

②:並列運転

機械でもすこし触れたように、並列運転する場合は、使用する変圧器の変圧比を合わせないと、循環電流が流れてしまい効率が悪い。加えて、抵抗とリアクタンスの比率も同じで無いと銅損が発生してしまいます。これらの条件を問われる問題が多いです。

後、並列運転下に同一負荷がぶらさがっている場合、その負荷を各変圧器ででのように分担するかという計算問題も頻出です。負荷分担の公式があるので、覚えてしまうのが手取り早いと思います。

③:保護回路

保護回路には、電流の異常を検知するためのCT、異常電圧を検知するためのVTなどがあります。これら機器の使用方法、注意事項などが頻出です。特に、CTの二次側を開放すると異常電流が流れ発熱するので、取り扱いには十分注意しなければいけません。

3. 発電機

発電機で出題頻度が高いのは火力、水力、原子力である。特に火力発電は毎年出題されているため合格するには必須の学習項目である。多く出るのがエネルギー変換が絡む計算問題とその発電所の特長を問われる文章題である。以下で発電毎の重点学習項目を述べる。

①:火力発電

火力発電とは、燃料により発生した熱で水槽の水を沸騰させ、上記でタービン(発電機)を回し電力を得る方式です。沸騰した蒸気は冷却されて最終的に水に戻ります。ここで重要なのは火力発電所の蒸気、水の流れを覚えること、各設備の名前を覚えることです。上の蒸気の流れを基本的な熱力学で記述したものをランキンサイクルと呼び、これも頻出項目です。状態方程式を考えながら、丁寧にグラフを一周追うと理解できる。現象とグラフを結びつけて覚えるとよいと思います。

計算問題はほとんどがエネルギー変換に関するものである。定格出力で一日運転した場合の重油の消費量を問われる問題などが多いです。これは単位変換が肝となります。計算問題を沢山こなし、ジュールからワットの変換などに慣れておきましょう。

②:水力発電

水力発電とは、高いところから流れる水流によってタービンを回転させる発電方式です。水の位置エネルギーを電気に変換する発電所である。水力発電は発電方式が多いことに加え専門用語が多く、イメージできないとなかなか覚えることが難しいです。イラストを自分で書いて発電方式や水車の種類などを整理するとよいと思います。

計算問題は位置エネルギーと発電エネルギー、水流速に関連するものが多いです。ベルヌーイの法則や、速度調停率など専門用語を覚えながら計算問題を解きましょう。特に位置エネルギーを電力に変換する以下の公式は必須です。

P=9.8Q(流量)×H(高さ)

計算自体は決して難しいものではありません。

③:原子力発電

原子力発電とはウランが核分裂する際に発生する熱エネルギーを利用して貯水槽を沸騰させ、蒸気でタービンを回すことでは発電します。少量の燃料で多大なエネルギーを生み出せるというメリットがある半面、東日本大震災で浮き彫りになったように安全面で一定のリスクも存在しています。

他の発電方式と同様、構成要素の名称、発電原理、発電所の種類と特長を問われる問題が多いです。計算問題に関しては発電エネルギーからウランの質量欠損量を問われるものが多い。質量欠損量と発生エネルギーの間の下記関係式の使用及び単位変換に充分に慣れておけば問題はありません。

E=mc2 mは質量欠損量、cは光速、Eは発生エネルギー

まとめ

以上電力の頻出分野について書きました。発電に関しては、水力と原子力を合わせた問題等も出るが、問題文をよく読んで順番に解いていけば問題ありません。

例えば、あるウランの質量欠損により発生したエネルギーにより、どれだけ揚水を引き上げることが出来るか。

以上に述べた内容を確実にマスターすることが合格への近道です。