【プラント設計の基礎】スチームトラップ種類と選定方法を現役プラントエンジニアが解説!

みなさんスチームトラップ使っていますか?僕の工場でもたくさん使っていますけど、結構人によって選定する方法ってバラバラだし、値段も違うしどうやって選んだらいいかなかなか難しいですよね?

しかも近頃はベンチュリー式と言われる物も登場していてさらに選定が難しくなっています。

ということで僕の今までの経験からどうやってスチームトラップを選定していくか解説していきます。

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目次

結論!お勧めはフリーフロート式

フリーフロート式

スチームトラップっていろいろ種類がありますが、その求められる機能って何か知っていますか?スチームトラップに,求められる機能としては3つあって、不凝縮ガスの迅速な排出、蒸気ロスの防止、ドレンの速やかな排出です。

スチームトラップに求められる機能

不凝縮ガス:要は空気なので熱伝導率が低く効率が悪いのですぐに排出する必要がある。

蒸気ロス:せっかく作った蒸気がロスすればお金の損失につながるので、少なくする必要がある。

ドレンの排出:ドレンが溜まれば熱効率が低下しますし錆の原因になる。そのため速やかに排出する必要がある。

また、装置の場合は立ち上げの際や負荷の変動なども考慮してスチームトラップを決める必要がありますし、逆にヘッダー管の場合は20〜30m当たり一個のスチームトラップで、ドレンの量としては大体5kg/hで設計すれば問題ないと言われています。

で、いろいろな種類のスチームトラップがある中で僕が強くお勧めするのは、メカニカル式のフリーフロートです。

え?メカニカル式?と疑問に思う人もいるかもしれませんが適切に使えば数十年使うこともできますし、現在のフリーフロート式は先ほど申し上げた不凝縮ガスの排出、ドレンの速やかな排出、蒸気ロスの防止と言う観点から考えると非常に優秀なスチームトラップになっています。

たたし、装置用と配管用では構造が違うのでそこは注意する必要があります。

もちろん排出するドレン量によって選定する必要がありますが、ドレン量に追従できるのでドレンが少なくなっても損失は最小限に抑えることができます。例えばディスク型は蒸気の放熱により動作するので、どうしても損失になるんですよね。それらを考慮するとフリーフロートが使えるのであれば最も良いのかなと思っています。

褒めてばかりますけどもちろん欠点があります。

フリーフロート式の欠点
  • エアーベントの性能が重要となる。
  • フロートの芯球度によって性能が決定する。
  • 基本的に水平取り付け。

となりますが非常にオールマイティに使える割に、性能も非常に優れているスチームトラップです。

ベンチュリー式(オリフィス式)はどうなのか?

ベンチュリー式(オリフィス式)

近頃はベンチュリー式(オリフィス式)というのも開発されていて、いろいろなメーカーが販売していますけど…個人的にはあまり使おうとは思いません。たしかに壊れなくて非常に便利なスチームトラップですけど、構造的にドレンをトラップしていないので蒸気の負荷変動に追従できません。

なのでドレンが多くなれば排出が間に合わず、少なければ蒸気ロスが発生すると言う構造なのでどこで使うかと言うのがなかなか難しいスチームトラップとなっています。

私の会社でも利点しか鵜呑みにしない人が採用して、装置の立ち上げ時にドレン量が多くなり熱交換器の中でドランの滞留が発生して大トラブルになったことがありました。

なのてベンチュリー式(オリフィス式)はドレン量が把握できて、かつ一定のところ…ヘッダー管とかにしか使っていません。

なぜいろいろな種類のスチームトラップがあるのか?

なんで色々なスチームトラップかあるか

じゃあ、なんで色々なスチームトラップかあるかと言うと装置によっては使えるスチームトラップか限られていいるのと、フリーフロートは値段が高いからです。なのでどうしても値段だけで考えるとフリーフロートは採用しにくい場合があります。

また、段ボール工場などで使われるロータリードライヤーはスチームロッキングなどの問題から、一般的なスチームトラップは使えません。

他にも昔からディスク式を使っているので、今更変えるのは面倒ということでディスク式を使い続ける…みたいな感じで使ってることもあります。

また、ゴミが多いとフリーフロート式の場合がオリフィスが詰まる時があるので、使えないと言うこともあります。

ということでスチームトラップは発生するドレン量や設置する機会や場所で選定する必要がありますが、使えるのであればフリーフロートがベストだと思っています。もちろん値段が高いとかゴミが多いと使えないとかはありますが

スチームトラップの最終的な選定はメーカーとよく相談して!

以上のように僕自身はフリーフロートを主体に使用していますが、場所によってはディスク式なども使用しています。重要なのは適材適所で最適なスチームトラップを使用するということです。

なので選定をする場合はメーカーに相談して決めることがお勧めです。その際は装置なのか配管なのか?ドレン量はどの程度発生するのか?変動するのか?などを正確にメーカーに伝えましょう。メーカーとも話をして選定しましょう。

蒸気は多くの工場で使用される優秀な熱源です。しかし取り扱いや選定を誤るとドレンの排出不良や蒸気ロスが発生します。正確に現状把握をして正しい知識のもとでスチームトラップを選定すれば、最小限の蒸気ロスで多くのドレンを排出できます。

生産性に大きく関わりますので、メーカーとよく相談して最適なスチームトラップを選定しましょう。

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