現役プラントエンジニアが教えるプラント設計の基礎知識。
学校では教えてくれないことを中心に、実務に直結する内容を書いていきます。今回は「風力発電」について語ります。
化石燃料はどうしてもCO2を発生させます。効率を上げてもCO2自体の発生を0にすることはできません。
そこで地球温暖化対策として期待されるのが風力発電などの自然エネルギーですが、はたしてメリットだけでデメリットはないのでしょうか?
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代替エネルギーの重要性
代替エネルギーは常に注目を浴びています。火力発電に依存している中で代替エネルギーを使用する事は多くのメリットがあります。
これらの中で最も公表されているものの1つは、発電機を駆動する風力発電によって生成される炭素フリーな電機エネルギーです。しかしこれはWin-Winな状況を生み出すのでしょうか?
風力発電のコストは建設費だけではない
ここ数年に開発された風力発電は非常に巨大なもので建設コストも莫大です。それらは非常に高価であるため、投資収益率はかなり長い道のりです。数字を調べてみましょう。
2メガワットの風力発電は、購入して設置するのに200万ドル以上かかることがあります。 2メガワットは200万ワットの出力を意味します。この発電機は約33,330 60ワットの電球を照らすのに十分な電力を生成することができます。
もし私が自分の土地に発電機を設置して、私の地元の電気会社に電気を月額約10,000ドルで売電したとしましょう。ざっくり計算で投資収益率を実現するには16年以上かかります。
これは「紙の上ではよさそうだ」という数字です。現実的に言えば、維持費と借入金の利子を考慮すると、実際には16年以上かかるでしょう。
ここで風力発電が修理を必要としたらどうなりますか?はっきりいって巨大な発電機をメンテナンスするのは安くありません。
重い部品を持ち上げるために必要とされる巨大なクレーンをレンタルするためだけに15,000ドルもの費用がかかる可能性があります。
購入価格と維持費の他に、風力発電の設置について考慮すべきもう一つのことは、それらが自然エネルギーのみで運営されるということです。
自然エネルギーの不安定さとは?
将来の使用のために風の強い日に発生したエネルギーを蓄えるなど、この要因を補うために私たちにできることはあるでしょうか?
これは、風が長期間吹かなくなった場合に電力会社の電力網に電力を供給するのに必要な、膨大な量のエネルギーを貯蔵することができるバッテリーだけで十分であれば解決策としてあり得ます。
1キロワット時あたり約3,500ドルとすると。この価格で2メガワットの風力タービンは、ちょうど1時間の穏やかな天候を乗り越えるために、約700万ドル相当のストレージを必要とします。
他にバッテリーと比較する事の出来る解決策としては、発電機からの電気エネルギーを機械的エネルギーに変換してエネルギーを保管する事も考えられます。
例えばエネルギーを巨大なフライホイールなどの機械的貯蔵装置に保管するのです。
その後、風がやんで電力が流れなくなると、フライホイール上のモーターが発電機に変わることがあります。その回転質量に蓄えられた機械的エネルギーは発電機にエネルギーを供給し、それが今度は電力を電力網に流し続けます。
ここで運動力学的なはなしになりますが、与えられた速度で回転しているフライホイールに蓄えることができる機械的エネルギーの量はその質量、すなわちそれがどれくらい重いかに依存します。
貯蔵するエネルギーが多いほど、フライホイールは重くなります。そのため、数日間の穏やかな天候を乗り越えるために何百万ワットものエネルギーを貯蔵することについて話しているとき、フライホイールを非常に大きくする必要があり、それは非現実的で経済的ではありません。
2メガワットの風力タービンから約1時間分のエネルギーを蓄えるには、直径65フィートを超えるフライホイールを組み立てる必要があります。フライホイールは1800 rpmで回転し、9トン以上の重さがあるかもしれません。
まとめ
よくよく考えてみると、現在の技術は化石燃料を100%風力エネルギーで置き換えるための費用対実行可能な解決策は非常に難しいように思えます。
しかし、今後も増えるであろう電気自動車などの需要の増加の為には代替エネルギーの上手な利用が必要になります。
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