【プラント設計の基礎】プラント設計に必須!「PFD」と「P&ID」の”超”基礎知識!

みなさんこんにちは、プラントエンジニアのヤンです。

みなさんも「PFD」や「P&ID」と呼ばれる図面を見たことはあるし聞いたことはあると思います。しかし、これらの図面はプラント設計では非常に重要ですが、学校ではほとんど聞かなかった人も多いのではないでしょうか?

プラントの設計は非常に複雑で、多くの考慮事項があります。PFDとP&IDは、その中でも特に重要な役割を果たしています。つまりこれらの図面の読み方や書き方を覚えることは非常に重要で、プラントエンジニアに求められる非常に重要な知識となります。

ということで今回は「PFD」と「PID」の”超”基礎知識を解説していきます。

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目次

PFDとは?

PFDは「Process Flow Diagram」の略で、プロセスフロー図とも言われます。簡単に言うと、プラントの各段階の流れを示す図です。

PFDは、工程の流れや主要な機器、プロセスの条件(温度、圧力など)を示す図面です。これを見れば、どのような原料がどのような工程を経て製品として出てくるのかの概略がわかります。

PFDは何のために作成するのか?

PFDは工場やプラントの全体の製造プロセスを視覚的に示す図です。例えば、原油精製工程ならば、原油の入口から、ガソリンや灯油といった最終製品までの変化と流れを示します。主要な機器、タンクや反応器の配置、流れの方向、温度や圧力のような条件も表記されることが多いです。

たとえば、物質の入出量のバランスや熱の入出量のバランスを示す必要があります。これらはプラントの運転状態を理解する上で非常に重要です。

PFD作成の注意点

プロセスを正しく理解するためには、PFDの詳細な内容を知ることが重要です。そのためにはPFDはまず下記の点に注意しましょう。

PFD作成の注意点
  1. 情報収集: プロセスの概要や入出口の条件、主要な機器の情報を収集します。ただし、読む人が迷わずにプロセスを理解できるように、シンプルかつ明瞭に。
  2. プロセスの概要を描写: 主要な機器やユニット操作をボックスや形で表現します。
  3. 流れを追加: 矢印を使用して、物質の流れの方向と順序を示します。
  4. データを付加: 重要な流れには流量、温度、圧力などのデータを注記します。

PFDを書くときも闇雲に書いてはいけません。日本では、JIS (日本産業規格) に基づいてPFDを作成することが一般的です。特に「JIS Z 8204」はプロセスフローチャートの標準として参考になります。

また、PFD上では、各工程で使用される主要な機器(例:炉、反応器、蒸留塔)やその配置、接続関係が示されています。さらには、各機器間を結ぶ配管の流れや、その中の物質の性質、条件(温度、圧力、流量など)も記載されます。

P&IDとは?

P&IDは「Piping and Instrumentation Diagram」の略で、配管及び計装図と呼ばれます。P&IDはPFDをさらに詳細化した図面で、具体的な配管のルート、バルブ、計測機器、制御系統などが描かれています。これにより、設備の詳細な構造や運転方法が明確になります。

さらに特定のポンプがどのような計器やバルブとつながっているのか、どのタイプのセンサーが使われているのか、といった具体的な情報が網羅的に描かれています。

P&ID作成の注意点

P&IDは、プラントの詳細な構造と制御を理解するための重要な図面です。以下の点に注意して作成する必要があります。

P&ID作成の注意点
  1. 機器の配置: 主要な機器やタンク、ポンプ、ヒートエクスチェンジャーなどの配置を決定します。
  2. 配管を追加: 適切なサイズや材質の配管を機器間に引き、フローダイレクションを示す矢印を付加します。
  3. 計器やセンサーの追加: 必要な計器、センサー、バルブを追加し、それらのIDや仕様を注記します。
  4. 制御ループの示現: 制御回路や連動関係を線や記号で示します。
  5. 詳細性: PFDよりもさらに詳しい情報を提供するので、各部品や計器の仕様、サイズ、材質を正確に描写する。
  6. 関連性: PFDとの関連性を保ち、両図間で矛盾がないように注意する。

P&IDの作成においても、JISが重要な基準となります。具体的には「JIS B 8224」が配管及び計装図の標準として利用されます。また、業界やプロジェクトごとの独自のガイドラインや標準が存在する場合もあるため、プロジェクト開始時に確認することをおすすめします。

PFDとP&IDの違い

PFDとP&IDはプラント設計という点において重要な図面で、両方なければプラント設計はできないといっても過言ではありません。見比べると両方とも非常に似ている図面ですが、両者には以下のような違いがあります。

  • 内容の違い:PFDは全体の流れをシンプルに示す一方、P&IDは具体的な装置や計器の詳細を描写する。
  • 対象者: PFDは主にプロジェクトの初期段階や経営者、クライアント向け。P&IDは設計者や施工者、運用担当者向け。

なお、JISハンドブックはなかなか高価なのでまず学ぶのであれば「化学プラント配管設計の基本―配管技術者への道しるべ」と「配管設計・施工ポケットブック」がおすすめです。

化学プラント配管設計の基本―配管技術者への道しるべ

配管設計・施工ポケットブック

まとめ

PFDとP&IDは、プラントエンジニアリングにおいて不可欠なツールです。PFDで大まかな流れを掴み、P&IDで具体的な実装を理解する。そして正確かつ詳細にプラントの動作を理解するための重要なツールとなります。この2つの図を正確に理解し活用することで、効率的なプラントの設計、建設、運用が可能となります。

両方ともにプラントの設計、建設、運転の各段階で必要とされる図面です。正確な知識と理解があれば、安全かつ効率的なプラントの運転が可能となります。これらの図面をしっかりと学び、実践の場で活用してください。

JISや他の業界標準に従いつつ、各プロジェクトのニーズに応じて柔軟にアプローチすることで、効果的な図面を作成することができます。

化学プラント配管設計の基本―配管技術者への道しるべ

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