プラントエンジニアは技術的な仕事なので仕事内容によっては資格取得が必要です。特に施工管理系の資格は必須と言っても過言ではありません。
それとは別に自分のキャリアアップや知識の確認などでも資格取得というのは非常に役に立つものになります。私自身もいろいろと資格を持っていますが、社内の評価だけでなく転職にも役立っています。
ということで今回はプラントエンジニア取得しておくと便利な資格、特に実務経験の有無なども含め取得しておくべき資格も説明しておきたいと思います。
近頃は転職サイトも非常に多いですが”エンジニア”向けの転職プラットフォームはあるのに、”プラントエンジニア”に特化したものはありませんでした。その為、総合転職サイトで求人を探してもなかなか見つかりにくい状況ですよね?そこでおすすめなのが「プラント特区」です。”プラント業界専門の転職求人プラットフォーム”ですのできっとあなたに合った求人が見つかるはずです。
実務経験の必要ないもの
まず実務経験の必要ないものをせつめいしていきます。実務経験が必要ないということは学生の時から取得できますので、これからプラントエンジニアになる人やプラントエンジニアを目指している人にもおすすめできます。
高圧ガス製造保安責任者
高圧ガス製造保安責任者(甲種)の概要
- 実務経験:不要
- 難易度(1優しい〜5難しい):4
- 勉強時間:3ヶ月
- 試験日程:毎年11月第2日曜日
- 公式サイト:https://www.khk.or.jp/
甲種は記述試験もあり一発合格はなかなか難しい資格。毎年2月に検定試験があるので講習会に参加して検定試験に合格すれば、11月の試験は法令だけとなる。しかし、その試験も結局本試験の内容から法令が抜けただけなので難易度的にはかなり高い。高圧ガスの基本的な知識から圧力容器や流体力学、熱力学など覚えるべきことは多いが、知識面でも実務面でも非常に役に立つ資格。過去問見てさっぱりであれば乙種からいくのもあり。
高圧ガス製造保安責任者は丙種から甲種までありますが、実務経験が全く不要な資格となります。この資格は高圧ガスを製造している石油化学コンビナートなどの工場で保安技術管理者になるのに必要な資格です。甲種になれば制限がなく保安管理技術者になれますので、甲種を取得するのがおすすめです。
特にこの資格は甲種でも実務経験が不要なので学生の時、新入社員の時でも関係なく受験することができます。この資格は高圧ガスに関する色々な知識を勉強できますので、プラントエンジニアとしての基礎的な資格を得るのに非常におすすめできます。
しかしその分難易度はかなり高いので勉強時間はかなり必要となります。社会人になってから勉強するのは大変なので、実務経験も不要なので早めに取得しておきましょう。
危険物取扱者(乙種)
- 実務経験:不要
- 難易度(1優しい〜5難しい):2
- 勉強時間:2ヶ月
- 試験日程:都道府県によって異なるが平均で2ヶ月に1度くらい
- 公式サイト:https://www.shoubo-shiken.or.jp/
乙種4類が非常にニーズの高い資格。乙種であれば実務経験は不要。昔は甲種も実務経験なしで行けたような・・・?難易度としてはどちらかというと簡単な部類に入るので絶対に一度で合格したい。
危険物取扱者も丙種と乙種であれば実務経験は不要となります。特な世間的に有名なのは乙4こと、危険物取扱者乙種第4類ですね。こらを取得しておくとガソリンなどの引火性液体を取り扱うことができるので、化学メーカーや石油メーカーでは必須の資格となります。
プラントエンジニアとしてもそのような液体を取り扱うことが多いので、資格取得として求められることがあります。直接的な設計などには不要かもしれませんが、丙種と乙種は実務経験不要で受験することができますので、学生のうちに取得することがおすすめです。
エネルギー管理士
- 実務経験:不要
- 難易度(1優しい〜5難しい):5
- 勉強時間:3〜6ヶ月
- 試験日程:7月末or8月最初の日曜日
- 公式サイト:https://www.eccj.or.jp/index.html
工場などでエネルギー消費量が多いところは必須の資格。熱分野と電気分野があるがどちらも難易度が非常に高い。熱分野だけでも熱力学、伝熱工学、流体工学、ボイラー、反応器、などなど範囲が非常に広く計算問題も大学〜大学院レベル。難しかったら認定講習もあるけど・・・1週間缶詰状態でさらに試験に合格しないとダメなので結局大変なのは変わらない。
エネルギーをほぼ全て輸入に頼っている日本では、省エネとは最重要課題です。エネルギー管理士は工場の中などでのエネルギー使用の合理化を図るために、設備の点検や使用方法の改善などを行います。
この資格は非常に難易度が高いです。逆に考えれば大学で熱力学などを勉強しているうちに資格勉強をすれば、その理解も早まるでしょう。試験以外でも認定研修がありますがこちらも試験があるので侮れない資格です。
ただし、免状申請はエネルギー使用の合理化に関する実務経験が1年以上必要となります。
公害防止管理者
- 実務経験:不要
- 難易度(1優しい〜5難しい):4
- 勉強時間:3〜6ヶ月
- 試験日程:10月初旬位
- 公式サイト:https://www.jemai.or.jp/
エネルギー管理士同様で工場である一定以上の排水などがあるところでは必須の資格。こちらもなかなか専門的な知識が必要とされ、特にあまり学校で習わないことも多いので勉強は結構難しい。厳しければ認定講習を受講する手もあるがこちらも試験が必要です。
公害防止管理者は工場から発生するガスや水質を悪化させる排水、周囲環境に影響を与える騒音などに対して公害防止対策を講じるための資格です。プラントも種類によっては多くの排気ガスやばい煙、排水など環境に影響のあるものを多く排出する時があります。
そのようなことを防止するためにある一定規模以上の工場には、有資格者の配置及び届出が必要となります。そのためにある一定以上の規模の工場では必須の資格となります。
3級機械保全技能士
- 実務経験:不要
- 難易度(1優しい〜5難しい):1
- 勉強時間:1ヶ月
- 試験日程:1月と6月
- 公式サイト:https://www.kikaihozenshi.jp/
3級機械保全技能士は実務経験なしで受験できる資格で、高校レベルの難易度とされます。機械の基本的な知識が学べるので早めに受験しておくのをお勧めします。2級と1級は実務経験が必要です。国家資格なのでとっておいて損はないですね。
機械保全技能者はその名の通り機械保全に関する資格で、日本プラントメンテナンス協会が主催しています。機械保全というとプラントエンジニアには関係なさそうですが、プラントを構成する機器は多数ありその構造を理解するのは非常に重要です。
もちろん、専門メーカーには敵わないにしても故障した際の原因や対策立案をする上で、機械の構造を理解することは非常に重要です。
機械保全技能士の試験では一般的な機械の特徴から、ベアリング、チェーン、歯車などの構成部品や配管や油圧・空圧機器に関する問題も出ますので、プラントエンジニアでも覚えておくべき知識が非常に多いです。
3級の場合は実務経験不要ですので基礎知識を得る意味でも早めの取得をお勧めします。
ボイラー技士(2級)
- 実務経験:不要
- 難易度(1優しい〜5難しい):1
- 勉強時間:1ヶ月
- 試験日程:月1回
- 公式サイト:https://www.exam.or.jp/index.html
2級ボイラー技士は熱力学の基礎や圧力容器について学ぶことができます。ボイラー技士としての資格を得るには実務経験もしくは、ボイラー実務講習を受講する必要があるので注意しましょう。
2級ボイラー技士は工場などに設置されているボイラーを取り扱うのに必要な資格です。こちらもプラントエンジニアとは無縁のような資格に思えますが、熱力学の知識やボイラー容器の知識つまり高圧容器の知識を勉強することができます。
また、工場で働いている場合にはボイラーによっては有資格者が必要とされますので、持っておいて損はない資格です。ただし注意点としては、受験は実務経験不要ですがボイラー技師としての資格をもらうには実務経験もしくは、ボイラー実技講習を受講する必要があるので注意してください。
実務経験が必要な資格
実務経験が必要な資格は入社してある程度の年数が経たないと受験すらすることができません。もちろん、受験資格を得たからといって簡単な資格はなく、どちらかというと非常に難しい資格が多いのが現状です。
しかし、実務経験が必要ということはそれだけ高レベルな資格であると同時に、資格を持っていれば大きな裁量を得ることができる資格もありますので、受験資格を得ることができたらすぐにでも取得することをお勧めします。
1級管工事施工管理技士
- 実務経験:必要
- 難易度(1優しい〜5難しい):5
- 勉強時間:6ヶ月
- 試験日程:1次検定:9月上旬、2次検定:12月上旬
- 公式サイト:https://www.jctc.jp/
1級管工事施工管理技士はプラントエンジニアであれば必須の資格です。これは会社として3500万円以上の工事を元請として受注した場合は、専門の技術者を設置する必要があります。この技術者というのは監理技術者のことですが、監理技術者になるのに必要なのが1級の施工管理技士の資格です。また、管工事施工管理技士は現場での工事管理だけでなく基本的な設計の知識も問われますので非常に重要な資格となります。
1級管工事施工管理技士は管工事の現場施工管理から基本的な知識まで問われる、非常に難易度の高い資格となります。1次検定はマークシートですが、2次検定では記述式で自分がどのような現場管理をしてきたか?どのようなことに留意したかを論文形式で記述する必要があるので、普段このような仕事をしていない人が合格しようとしても非常に苦労するでしょう。
また会社としても3500万円以上の元請けとなる場合の監理技術者として非常に重要な資格です。それ以外でも公共工事を受注する際にはその会社に何名監理技術者がいるかも重要視されます。持っていて損はない資格となります。
近年はこのような監理技術者の不足が叫ばれていますので、転職にも有利でしょう。
1級機械保全技能士
- 実務経験:必要
- 難易度(1優しい〜5難しい):4
- 勉強時間:3ヶ月
- 試験日程:1月
- 公式サイト:https://www.kikaihozenshi.jp/
1級機械保全技能士は3級の上位資格となります。そのため実務経験が必要となり、難易度としても非常に難しくなります。単に機械の知識だけでなく機械保全法や、破損した写真から原因と対策も求められるので参考書だけでなく、実務でも経験がないとなかなか厳しい資格です。
1級機械保全技能士は3級の上位資格ですが、その分難易度もかなり高くなっています。私のように普段あまり機械保全に関わっていない人間は、歯車やベアリングの名前を覚えるだけでも大変です。
そこからさらに破損した機械部品から原因と対策を考えなければいけないので、参考書だけでは合格するのは難しいでしょう。
唯一救いなのはマークシートの試験だということですね。
「いや・・・試験とか苦手だし」っていう人に言いたい事
これだけの資格を取るのは大変と思いますか?確かに人によっては
- 勉強する時間がない
- 忙しい
という人もいると思います。でもそういう人ってただ単に「自分が落ちた時に自分が落ちてもしょうがなかった理由を自分で作っている」に過ぎません。
さらにこういう人って「資格試験を合格するのに必要な超単純な事」を愚直に実行していないんです。
それは暗記です。
大体の資格試験は暗記すれば合格できます。しかし「暗記」はめんどくさいので多くの人が
- なんとか暗記しなくても済む方法はないか?
- とりあえず一夜漬けでいいか
という感じで「暗記しなくて済む方法を見つけようとして結局試験に落ちる」と追う悪循環になっています。暗記すればいいだけなのに、結局変なところに逃げ道を見つけようとするんですよね。
もちろん、人によって得意科目、不得意科目は異なるので全ての試験で全ての人が同じように合格できることはありませんが、基本に立ち返れば「暗記」をいかに効率良くするかにつきます。
資格試験に合格するのに「暗記」は必須です!もし効率良く「暗記」する方法がわからなければ私も購入している「超高速暗記術~資格試験に忙しくても一発合格!」がお勧めです!
資格取得は自身のキャリアアップにも繋がる!積極的にチャレンジ!
プラントエンジニアとして必要と思われる資格一覧を掲載しました。このほかにも資格はいろいろありますが、基本的な資格としてはこれらを取得すれば十分でしょう。
もちろん資格を取得している=仕事ができるというわけではないので、仕事と資格は別として考えましょう。もちろん資格取得により多くの知識を得ることで仕事をさらに効率的に進めていければベストです。
実務経験が必要な資格は履歴書や職務経歴書に記載しても恥ずかしくない資格なので、ぜひチャレンジしてみてください!
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