初期型の隼には起きていないor報告されていないだけかもしれませんが、2008(K8)モデルおよび2009(K9)モデルの隼では稀に起きるトラブルとして、クラッチスプリングサポートボルトの脱落があります。
これが起きるとクラッチカバーと脱落したボルトが衝突して異音が発生、最悪の場合はボルトが中で暴れまくってクラッチやらなんやらが破損からのエンジンブローにつながる恐れがあります。
エンジンブローにつながるとなるとかなり重大なトラブルですが、一部の車両にしかでないので北米ではリコール対象なのに日本では対象ではないとか・・・。
もし発生するとなり重大なトラブルになるので、事前に点検しておきます。
年間のオートバイの盗難届けの件数は約1万1千件。これ自動車の約1.5倍です。そして検挙率は14.9%(2017年)。盗まれたらほぼ戻ってきません。
盗難場所も駐輪場、駐車場、自宅敷地内が83%なのでどこでも盗まれる状況です。
そんな時に安心なのが盗難保険。僕も加入しているバイク盗難保険『ZuttoRide Club』なら、バイク本体だけでなく、パーツ単位で保証してくれるので安心ですね。
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事前に購入しておくもの
クラッチカバー外すだけの作業ですが特殊工具とガスケットを事前に購入しておかないと、作業ができなくなります。私はそのおかげでAmazonから工具が届くまで待つ羽目になりましたので、事前に購入しておきましょう。
クラッチカバーガスケットとボルト類
正式名称は「ガスケツト、クラツチカバー」です。商品番号は「11482-24F00」となります。
分解する時点で異音が鳴っている場合はボルトの交換も必要なので購入しておくことをお勧めします。私は異音は発生していなかったので、点検して何かトラブルがあれば購入しようと思っていたので購入していません。
ボルトは2種類必要で、一つが「ボルト、スプリングサポート」(商品番号:21481-02F12-000)、もう一つが「ボルト、クラツチスプリング」(商品番号:21482-02F12-000)です。
価格としては
- 「ガスケツト、クラツチカバー」:単価825円
- 「ボルト、スプリングサポート」:単価484円✖️6本=2904円
- 「ボルト、クラツチスプリング」:単価132円✖️6本=792円
なので全て交換するとなると4521円かかります。まぁエンジンブローの可能性を考えれば安いもんですが・・・最初から対策しといてくれよ・・・。
トルクレンチ
ボルト類を締結するのにトルクレンチは必須です。私はAmazonで売っている「E-Value プレセット型トルクレンチ 差込角 9.5mm(3/8インチ) ETR3-25」を購入しました。安いのでちょっと不安ですが問題なく使用できています。
なお、これだけでは使用できないのでソケットセットも必ず購入しましょう。私が購入したのは「SK11 ノンスリップソケットセット 6角 SHS308X クリップ色:赤 差込角:9.5mm 8点 1セット」です。ソケットセットを購入する際は差し込み角を確認してから購入しましょう。
差し込み角が違うと使用することができません。変換アダプターもありますが無駄な出費となるので注意しましょう。
「E-Value プレセット型トルクレンチ 差込角 9.5mm(3/8インチ) ETR3-25」
「SK11 ノンスリップソケットセット 6角 SHS308X クリップ色:赤 差込角:9.5mm 8点 1セット」
クラッチホルダー
作業中はクラッチがニュートラル状態になるので何かで抑えておかないとボルトを点検することができません。そのためクラッチホルダーは必須です。
私は「A’sTool クラッチホルダー 爪タイプ ドライブフェイス 歯車型」を購入しました。ちょっと小さかったですがなんとか使用できました。
「A’sTool クラッチホルダー 爪タイプ ドライブフェイス 歯車型」
ネジロック剤
外したクラッチスプリングサポートボルトをそのままつけても、また緩む可能性があります。新品のボルトを購入した場合にはネジロックが塗布された状態で届くようですが、既存のボルトを使用する場合にはネジロック剤が必須です。
クラッチスプリングサポートボルトは基本的に緩めることがないボルト(のはず)なので、永久固定系のものを購入しましょう。
私が購入したのは「3Mスコッチウェルド ねじ緩み止め嫌気性接着剤 TL62J 10ml 高強度(永久固定)/中粘度」です。
液体ガスケット
サービスマニュアルに液体ガスケットを塗布するところが指定されているので購入しておきます。
今回購入したのは「DAYTONA 液状ガスケット厚付黒10g 78893 48-5270」です。
「DAYTONA 液状ガスケット厚付黒10g 78893 48-5270」
クラッチカバー取り外し〜点検
実際の作業はまずクラッチカバーの取り外しが必要です。クラッチ内は当然のごとくオイルで使っているので、オイルも抜く必要があります。
![オイルを抜きます](https://from-plant-engineer.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_4226-1024x768.jpeg)
オイルが抜けたらカウルを取り外します。そしてクラッチカバーの大量のボルトを取り外します。なお、アイドリング調整スクリューなど邪魔なのでそれらを取り外していきます。
![クラッチカバーのボルト12ヶ所取り外します。](https://from-plant-engineer.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_42402-1024x768.jpg)
これらを外すとクラッチカバーを取り外すことができます。カバーの中に傷などがなければボルト自体が大きく緩んでいることはないので、新品に交換する必要はないでしょう。
![クラッチカバー内部に傷がなければ大丈夫](https://from-plant-engineer.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_4241-1024x768.jpeg)
次にプレッシャープレートを取り外す必要があるので、クラッチスプリングボルトを取り外します。このとき本来であれば締め付けトルクの関係で、クラッチスプリングサポートボルトは外れないはずですが、私の場合は2箇所外れました。
![クラッチスプリングボルトを取り外します。](https://from-plant-engineer.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_4244-1024x768.jpeg)
外した後がこんな感じです。赤丸のところがクラッチスプリングサポートボルトも外れてしまったところです。
![2ヶ所、クラッチスプリングサポートボルトも一緒に外れました。](https://from-plant-engineer.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_42512-1024x768.jpg)
プレッシャープレートを外してクラッチ板も何枚か外せば、クラッチスプリングサポートボルトを外すことができます。クラッチ板は取り外した順番を間違わないようにしておきましょう。
クラッチスプリングサポートボルトの取り外し&取り付け
ここまでくればクラッチスプリングサポートボルトを取り外せます。外すときは「A’sTool クラッチホルダー 爪タイプ ドライブフェイス 歯車型」を使用しましょう。
![クラッチスプリングサポートボルトを外すときはクラッチホルダーを使います。](https://from-plant-engineer.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_4355-1024x768.jpeg)
取り外したボルトはワイヤーブラシで洗浄&脱脂ののちにネジロックを塗布します。使用するのはもちろん「3Mスコッチウェルド ねじ緩み止め嫌気性接着剤 TL62J 10ml 高強度(永久固定)/中粘度」です。
![ネジロック剤は永久固定系を使用します。](https://from-plant-engineer.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_4359-1024x768.jpeg)
ただしそんなにベタベタ塗る必要はないです。と言いながら思ったより塗ってしまいました。
![ネジロック剤は塗りすぎないように](https://from-plant-engineer.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_4361-1024x768.jpeg)
あとは「E-Value プレセット型トルクレンチ 差込角 9.5mm(3/8インチ) ETR3-25」を使用して取り付けましょう。締め付けトルクは23Nmです。
![クラッチスプリングサポートボルトの締め付けトルクは23Nmです。](https://from-plant-engineer.com/wp-content/uploads/2022/09/33b3efd5bf539057e003e1c88b5b9f49-1024x272.jpg)
クラッチカバー取り付け〜復旧
あとは元通りにするだけです。クラッチ板、プレッシャープレートを取り付けクラッチスプリングボルトを取り付けましょう。クラッチスプリングボルトの締め付けトルクは10Nmです。
![クラッチスプリングボルトの締め付けは10Nmです。](https://from-plant-engineer.com/wp-content/uploads/2022/09/32a97c5d043cf0fd65537e1c1edd798d-1024x289.jpg)
サービスマニュアルではスタータークラッチホルダーが必要と書いていますが、特に必要はありませんでした。
サービスマニュアルで指定されている箇所に液状ガスケットを塗布して、クラッチカバーを取り付ければ完了です。クラッチカバーの取り付けボルトも10Nmで締め付けます。
![指定箇所に液状ガスケットを塗布します。](https://from-plant-engineer.com/wp-content/uploads/2022/09/06758e218e418783e0a85b2a476cb8a7-1024x274.jpg)
![クラッチカバーの取り付けボルトの締め付けトルクは10Nmです。](https://from-plant-engineer.com/wp-content/uploads/2022/09/ea5663acd08742c6b26795449a41fa69-1024x271.jpg)
あとはオイルを入れてカウルを復旧すれば完了です。
自分でやるのが不安な人はショップへ
クラッチスプリングサポートボルトの点検はそれほど難しい作業ではありませんが、特殊工具やトルクレンチが必要だったりとバイクいじりをしたことがない人にとっては若干難易度が高いです。
不安な人は行きつけのショップなどにお願いして点検してもらいましょう。
すでにクラッチカバーから異音が発生している人はすぐにショップで点検することをお勧めします。
年間のオートバイの盗難届けの件数は約1万1千件。これ自動車の約1.5倍です。そして検挙率は14.9%(2017年)。盗まれたらほぼ戻ってきません。
盗難場所も駐輪場、駐車場、自宅敷地内が83%なのでどこでも盗まれる状況です。
そんな時に安心なのが盗難保険。僕も加入しているバイク盗難保険『ZuttoRide Club』なら、バイク本体だけでなく、パーツ単位で保証してくれるので安心ですね。
>>ずっとバイクに乗り続けたい人だけ加入してください。
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