プラント配管設計がわからない? そんな人のために僕がやってきた方法を公開します!




配管はほとんどのプラントで施工が必要であり、プラントといえば配管が無くてはならないものです。

しかしながら、結構会社によっては独学で学ばせたり(前職でもそうでしたが)、非常に問題のある設計をしたりしていますので、僕がどのように設計をしていたかを書いていきたいと思います。

もちろん、僕のやってきた方法が全て正解であることはないし、人によって色々と考え方が違うので、この記事を参考に自分なりの最適解を考え出してほしいと思います。

Check!

基本設計は自分の会社での設計基準に従う!なければ自分で決めよう!

配管図関係はいきなり配管を考える間にまず「どこにサポートを設置できるか?」を考えよう! もちろん、安全通路や機器配置も考慮すること!

失敗は成功のもと。でも失敗は許されないので失敗例を勉強しよう

事前の保険は必要。

プラント配管設計の前に配管って何?という人は「図解入門 現場で役立つ管工事の基本と実際」で勉強しよう!

配管設計をする前に、配管工事自体がよくわからない人には「図解入門 現場で役立つ管工事の基本と実際」がおすすめです。

比較的新しい本ですが図が多用されており、配管工事をしたことがない人にもわかり易い内容になっています。僕も本屋で立ち読みして非常に良い本だったので購入してしまいました。

これで基本を学べば基本的な配管工事の考え方などは全く問題ないので、配管工事自体がよくわからない人は購入することをおすすめします。

プラント配管の基本設計:配管内の流速・流量および配管口径

はっきり言ってこの辺はどの会社でも設計基準があり、その中で基本流速が決まっていると思うのでそこから計算していけばよいとおもいます。

設計基準がない場合は

もし、設計基準がなく自分で決めるしかない場合はぜひ「配管設計・施工ポケットブック 新装版」を参考にしてください。

この本は「ポケットブック」と書いてある割には、基本設計から詳細設計(サポートの計算や振動の考え方、そして保温なども)、施工や見積もりの算出の仕方まで書いてあり、配管設計する際には無くてはならない本となっている。

むしろ、よほどの高温高圧でなければこの本一冊で十分設計ができます。

基本的な流速の考え方や、各配管口径での1m/sあたりの流量なども記載があるので、非常に便利な本です。コンパクトで現場事務所にも持参できる割には非常にためになる本です。是非購入してほしいと思います。

材料に関しては「プラント配管ポケットブック」が一番参考になります。基本的な配管材料から、鋼材一覧、ネジの種類や保温に関しても乗っているので、これ一冊で配管材料に関しては完璧です。

この2冊は会社になければ自分で購入しましょう! というか会社にあっても自分がすぐ使えるように、購入しておくことを強くおすすめします!

ただし、気体は圧縮性があるのでどの時点がどの圧力なのか? 自分が計算している単位はノルマルなのか? スタンダードなのか? それ以外なのか? を常に考えて設計していかないととんでもないことになります。

この辺りはボイル・シャルルの法則などでも簡単に計算できるが、意外とおざなりにしている人も多いと思うのでしっかり見直しておきましょう。

また、配管口径も場合いによっては1口径上を選択するなどの計画が必要です。

流速に対する配管口径の決め方や、配管材料は会社によって定められている所が多いが、基本的な計算の仕方を知っていれば自分で計算できるので覚えておきましょう!

たまに

  • 「こんな単純な計算なんてやる意味がない」

という意見を聞くことがある。というか新入社員が言っていた。

はっきりいって、単純な計算であろうと設計に対する根拠を持つことはエンジニアにとって当たり前のことです

単純な計算だから意味がないという風に考えている時点でエンジニア失格です。

プラント配管の詳細設計その1:配管図・スプール図・サポート

いくら基本設計が完璧であっても詳細設計の部分で間違いがあっては意味がなくなります。特に配管図に関しては、基本的なルールを知らないとトラブルの原因となります。

なお、個人的には配管図を描く前にサポート図を完成させるべきだと思っています(完璧でなくてもサポートを設置する位置くらいは確定したほうが良いと思います)。もちろん、配管図で配管ルートを考えることは非常に重要です。ルートは短くて曲がりがない方が圧損も少ないし、工数も少なくて済むからです。

しかし、実際の配管はサポートがなければ固定することができません。つまり、配管サポート上にしか配管を据えることはできないということになります。

ですので、最初に配管サポートをある程度決めておけば「配管図を書いてからサポートを置くところがないので配管図も変更する」という二度手間がなくなります。

図面の書き方は実はプラント配管のみを専門とした本は少ないし、会社によって書き方に差があるのでまずは会社のやり方を勉強することをお勧めします。

そしてここでも参考になるのが「配管設計・施工ポケットブック 新装版」と「プラント配管ポケットブック」です。

プラント配管の詳細設計その2:圧損・保温等

圧損に関して言えば、これに関しては基本設計の際にバルブのCV値などをまずよく考慮すべきです。よほど細い配管で高速で流す時などはまずいが、僕の経験上圧損で大きな問題が起こったことはまずないです。

しかし、広大な敷地でのプラント配管などはよく考慮する必要があります。圧損の計算はCV値が分からなくても相当長さ等で計算できます。この辺は検索すればすぐにわかるはずです。

保温についてはJISに定められている保温を使えばよいが、あまりにも効率を求めすぎると費用対効果が悪くなる。

常識的には少なくても85%、多くても95%の保温を考慮すればよいかと思います。

プラント配管設計の注意事項:事前に保険を作っておく

配管関係は一度据えてしまうと、交換自体はできるが配管口径を大きくするのは難しいです。

もちろん、費用にもよるが事前に保険を作っておけば大きなトラブルも未然に防げるし、何年にもわたって安定した運転を実施できます。

というわけで僕のやった改善事項を1個だけ紹介します。

僕のやった改善事項(ちょっとだけ)
  1. P&IDでは機器への冷却水配管が10Aだった。
  2. 冷却水はお客さんからの支給
  3. 水質がよくわからないのでスケールなどの付着を考慮して、機器までは25Aとして機器の接続部をブッシングで繋いだ。
  4. 機器出口側にグローブ弁と流量計を設置して流量調整できるようにした。
  5. 稼働後、他の担当者の冷却水配管はスケール付着による流量低下&配管口径がギリギリなので調整不能。薬注でなんとか対応。
  6. 僕のやったところはスケール付着しても配管口径が大きかったので、客先が冷却水を改善するまでバルブの調整のみで対応。

なお、設計段階では

  1. 費用が上がる。
  2. 材料費が無駄。
  3. P&ID通りに作るべき。

などの意見がありましたが、結果を見ればどちらが正解かよく分かるはずです。冷却水が流れずに機器が壊れるのと、配管材料の費用の両方をよく比べてみてほしいと思います。

P&ID通りに配管作るだけでいいのであれば、プラントエンジニアなんて職業はいりません。

予算、工事性、安全性、メンテナンス性、安全・安定稼働これらを総合的に考えて、プラントを設計・建築していくのがプラントエンジニアです。

上記は単純ですがうまく行った例ですね!

おなじく、計装空気も計算からバッファータンクを求めることはできますが、二圧容器の場合は買うにも価格が高いし、作るにもボイラー協会への資料など非常に時間がかかる。

その為、もちろん2圧容器は保険として付けるが、スペースがあればヘッダー管を太くしてそれをバッファー代わりとしました。

ユーティリティ関係ははっきり言って軽視されがちですが、トラブルが起きるとプラント全体の停止が伴うことがあります。

ある程度の保険を持ち、トラブルを少なくしようという考えは24時間動くことが多いプラントでは非常に重要です。

トラブルから学ぶ配管技術-トラブル事例とミスを犯さない現場技術-」でトラブル・失敗例を参考にする。

配管設計の際には「このような設計をしましょう」とは書いてあるが、「こういうトラブルの原因になるから、これはだめですよ」と書いてあるのは非常に少ない。

トラブルから学ぶ配管技術-トラブル事例とミスを犯さない現場技術-」はそれを教えてくれます。配管設計の際にやってはいけないことを勉強できるので設計者には非常に勉強になる。

同時に、現場施工の際に事前におかしな配管を発見する為にも、このような本を持っていることは絶対に無駄にはならないと思います。

プラント配管設計のまとめ

プラント配管設計は多種多様な流体や圧力・温度を扱うため、多くのことを考慮する必要があり非常に難しい分野でもあります。

しかし、今回紹介した本で基本的な設計法やトラブルを学べば決して難しいものではないはずです。それに加えて実際の現場で経験を積めば積むほど、プラントに応じた臨機応変な設計ができるようになります。

まずは、今回紹介した本で基本的なことを勉強し、現場で実際に経験を積みながら知識を増やしていってほしいと思います。