プラントエンジニアという仕事は、お客さんに向けてプラントを設計して納入する仕事です(当たり前ですけど)。
そして大体ですが現場工事がすんなりとうまくいくわけではなく、大体大なり小なりのトラブルが発生します。小さなトラブルならいいですけど、大きなトラブルになるとお客さんと会社の板挟みになり本気でもう帰りたくなります。
ということで、プラントエンジニアとして「もう帰りたくなった」現場でのトラブルを紹介していきます。これからプラントエンジニアになりたい人はこういうことにも耐えれる力が必要です。
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図面が全然合わない
現場の工事というのは基本的に図面をもとに行われます。そりゃあそうですよね。全てが現合(現場合わせ)だと時間がいくらあっても終わらないし、非効率的です。
もちろん、現合で知るべきところはその旨を書きますし必要最小限で、でも必要なところは現合とするのが設計者に求められます。
ところが、この時は配管図が現場と全く合わない。もう柱とか梁とか機械に干渉しまくりで「何をもとに図面書いたの?」っていう感じです。
配管を施工する時は「プレハブ配管」といってある程度は工場で溶接して、現場で組み立てていきます。こうすることで現場での溶接工数を減らすことができますし、高品質の配管を作ることが可能です。
そしてどうしても現合しなければいけないところや、ちょっとした修正の時だけ現場で溶接したりしますが、この時は持ってくる配管がほぼ全て修正という異常事態。
配管施工業者も最初は現場で採寸してやってくれましたが、途中から「もう勘弁してください」となってあわないところが見つかればこちらが修正図を提出しないと施工してくれないことに。
もうこの段階で精神的にはかなり疲弊して、外注の設計業者と社内のチェックしたと言い張っている人間には罵詈雑言を浴びせ、現場の業者には頭ばかり下げていました。
ちなみにいまだになんでこんなことが起きたのか分かりません。工事がなんとか終わったあと、外注設計業者の社長が菓子折り持ってきましたが丁重にお断りして、以後の付き合いは無くなりました。
どうしても現場でこのようなトラブルが発生すると、会社と業者の間で板挟み状態になるのでなかなか辛いことになります。
海外の現場で初日に体調を崩す
海外旅行などでも現地の水が合わないなどで体調を崩すことがありますよね?
僕も昔海外の現場に行った時に初日に体調を崩してえらいことになりました。たしか中国だったと思います。
初日の朝にホテルの朝食でバイキングだったので色々食べたのですが、その中で野菜炒めだけがなんか油が変な感じがしたので食べたのですが・・・昼くらいから体調を偉い崩しました。
結局、その日はトイレで吐きまくりホテルに戻っても寝ているだけでした。万が一のことを考えて日本からレトルトのお粥を3こほど持っていったのですが、まさか初日に役立つとは思わなかったですね。
あれ以降、ホテルの朝食は焼いた食パンとコーヒーとフルーツだけで済ますことにしました。
海外での食事はどこであたるかわからないので十分に気をつけましょう。
ひどい風邪でも帰れず
2022年3月現在もコロナ禍なので今では喉の痛みや熱があればすぐに休むことができますが、現場にいる場合はそう簡単に休めません。
しかもそれが現場監督が不在で自分が代わりに現場を見ている時は尚更です。自分が休めば現場が止まりますからね。
その時はひどい喉の痛みと熱がありましたが現場を休むこともできず、病院にもいけなかったので市販の風邪薬でなんとか凌ぎましたが、現場監督が帰ってくるまでの1週間は本当に地獄でしたね。
羽田空港から帰路に着きましたが今であれば確実に搭乗拒否される状態で飛行機に乗った記憶があります(笑)。
工事中や試運転中は病院に行きたくてもいけないので、体調管理には十分注意しましょう。後、風邪薬は1日2回で済むのが昼間飲まなくていいので役に立ちます。
試運転で全然性能が出ない!
プラントは建設しただけで終わりではありません。最後に試運転調整をして仕様書上の性能が100%発揮できることを確認してから終了となります。
そのためには試運転をして必要であれば色々と調整するのですが、基本的に1から新しいプロセスを作ったプラントでない限りは、過去の経験からある程度設定を決めていけます。
しかし、ちょっとだけコスト削減のために機械を変更したせいで性能が全然出ないことになったことがあります。
通常2週間で終わる試運転が1ヶ月経っても終わらず・・・しかし会社のプロセス設計者は
「絶対に性能が出るはず!そちらの調整がおかしいからだ!」
と言い張るし客先は
「一体いつ引き渡してくれるの?」
といいう感じでこの時も板挟みになりかなり精神的にきつかったです。
もうホテルに帰るたびに
「も〜なんとかしてくれよ!」
って部屋で叫んでいた記憶があります(笑)。
怒涛の57時間勤務
上と似ていますが、試運転の初日に全然動かなくて調整やらなんやらで57時間連続勤務したことがあります。
この時はNEDO関係の案件で、プロセスを1から作ったプラントなのでこうなることは予想していましたが、それにしても全然うまくいかなくて途方に暮れました。
現場事務所で数時間の仮眠と食事は誰か時間ができたらコンビニで買ってきてもらって、57時間現場で仕事し続けてなんとかうまく動いたのを確認し、一旦帰りました。
とはいいつつも、ホテルに着いたら22時で翌朝6時には起床しましたがやはりベッドの上で寝ると疲労感が違いますね。
まぁ勤務表書いた時は人事にかなり怒られましたが・・・「じゃあお客さんに迷惑かけていいの?」っていう感じですね。そりゃあ人事の言いたいこともわかるけどこちらの事情もわかってほしいですね。
ちなみに「あれ36協定は?」って思う人もいると思いますが、当時私が所属していた会社は「時間外労働の上限規制の猶予」を利用していたので、そんなの関係ありませんでした。
海外で人質状態
海外でのプラントの立ち上げですが自分達が予定通りに行っても、客先が予定通りにいかない時もあります。
その時も客先の工場新設に合わせてプラントを納入しましたが、こちらの試運転が完了しても一向に客先の建設工事が完了しませんでした。
そのためこちらが試運転を完了させてもお客さんから、「我々の設備ができるまでまっってほしい」という状態に。
結局のところボタンを押して運転すればいいのですが、トラブル対応のために私が一人残されることに・・・。
「別にやることないし休みみたいでいいんじゃない」という感じでしたが・・・日本であれば近くの観光地に出かけたりしてサボることもできますが、海外で言葉も通じないし観光なんてする気も起きませんでした。
結局、現場事務所で適当に事務仕事してホテルに帰るだけの生活を1ヶ月しましたが・・・暇すぎてこれが一番キツかったかもしれません。
まじで日曜日とか何もすることがなくて気が狂いそうでした。
苦しかったその先に達成感が・・・!?
いろいろ苦しい思いもしてきましたが、このような苦しい時期を乗り越えて無事にプラントが立ち上がった時の達成感は半端ないですね。
しかし、無事に終わってもすぐに次の現場が待ち構えているので・・・苦労の大小はあっても同じことの繰り返しです。
すぐ次にまた高い山がそびえているのに同じこと繰り返すなんて・・・プラントエンジニアってマゾな人が多いのかもしれないですね(笑)。
これからプラントエンジニアになろうという人はぜひ参考にしてみてください。あ、こんなことばかりじゃなくて楽な現場は楽な現場で毎日定時に帰ってホテルの温泉楽しんだり、パチンコ行く人はいったり、日曜は強制的に現場が休みで遊び放題なんていう現場もあるので、そういう現場にあたるように今から祈っておいてください(笑)。
近頃は転職サイトも非常に多いですが”エンジニア”向けの転職プラットフォームはあるのに、”プラントエンジニア”に特化したものはありませんでした。その為、総合転職サイトで求人を探してもなかなか見つかりにくい状況ですよね?そこでおすすめなのが「プラント特区」です。”プラント業界専門の転職求人プラットフォーム”ですのできっとあなたに合った求人が見つかるはずです。
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