みなさんこんにちは、プラントエンジニアのヤンです。
現役プラントエンジニアが教えるプラント設計の基礎知識。
学校では教えてくれないことを中心に、実務に直結する内容を書いていきます。今回は「電気火災」について語ります。
火災というのは工場などで発生すると甚大な被害を及ぼします。そしてその火災の原因が時には電気の場合もあります。
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意外と多い電気火災
火災というものは少なくても物的損害、最悪の場合は人命の損失という結果をもたらします。
しかし、火災の主な原因の1つが電気であることを知っていますか?
住宅の電気火災は毎年何人もの人命を奪い、多額の損失を発生しています。株式会社ウェザーニューズによると電気火災は毎年千件以上発生しており、火災全体に2割程度を占めていることがわかります。
電気火災とは?
毎年発生する家庭用電気火災の約3分の1は、電気製品の設計ミスもしくは製造段階での欠陥が原因となっています。
残りの部分は、電気製品の過負荷、延長コードの誤用やメンテナンス不良、誤配線によるものです。
火災の発生、維持に必要な3つの要素はご存知でしょうか?これらの要素とは、熱、燃料(可燃物)、および酸素の組み合わせです。
これら3つの要素が1つでもかけている場合は、火災を開始または継続することはできません。電気的な火災の場合、3つの要素のうち熱となります。
意外と多い!工場・プラントの火災
工場やプラントの火災というのはあまり報道されていませんが、その30%以上の原因が電気と言われています。
工場やプラントでは数多くの電気機器を扱っています。そして大体一般家庭よりも高電圧・高出力であるのでその危険性も大きくなります。
となると電気機器の適切な管理と使用というのが、工場やプラントでの電気火災を防ぐ重要なポイントとなるのです。
工場やプラントにおける火災は時には周辺住民などにも大きな影響を及ぼし、最悪の場合は人的被害も発生します。
また、事業継続の危機にも陥りかねません。適切ね原因の把握とそれらへの対策が必要となります。
電気火災の原因
電気火災にどのように発生するでしょうか? 一般家庭でよくあるのは、不適切に使用された延長コードです。
電気的な教育を受けていない人は、延長コードの使用に適したサイズを知らず、それを気にかけないことがあります。もしくは、特に損傷している場合、例えばテーブルや椅子の下敷きになっている場合、その部分から過熱する可能性があります。
また、タコ足配線も有名ですよね。延長コードからさらに何回も分岐すればそれだけコードに負荷がかかり発熱からの火災となります。
それでは工場やプラントで電気火災が発生する原因はなんでしょうか?
工場・プラントでの電気火災の原因と対策
工場・プラントで電気火災の原因となるのは以下のものがあります。
- 配線・配線器具類の劣化・損傷
- 電気機器の劣化
- 変圧器
- 漏電
- モーター
これらが原因となり得ます。もちろん誤配線などによるショートなども原因になり得ますが、工場やプラントで電気火災が起きる際は大体劣化からの漏電やショートなどから火災が発生することが多いです。
そのため電気火災を防ぐには設計・製作・施工段階での適切なチェックと日々の点検が必要となります。
- 漏電ブレーカーや漏電アラームで漏電を検知する:設計・製作時
- 工事後に絶縁抵抗系(メガテスター)で漏電チェック:施工時
- 適切な防水・結露対策:設計・製作・施工時
- アンペア計(電流計)による負荷の把握とメンテナンス:設計・製作・運転・メンテナンス時
- 半年に一回の変電所及び高圧受電盤(キュービクル)の点検:メンテナンス時
などの対策が必要です。特にどんな電気機器や配線であっても徐々に劣化することは避けられません。
その劣化を把握して劣化が進行して電気火災となる前に交換・更新などの対策をとることが安全に使用する上で重要となります。
電気火災について:まとめ
電気は普段目に見えないので、いまいち火災の危険性というのが認識しにくいと思いますが、火災の原因の一つになりえます。
しかし、適切な仕様や点検により防ぐことができます。電気的な機器の設計や施工をする場合は使用者の安全を第一に考える必要があります。
火災は事業継続にも大きな影響を及ぼしますので、設計段階からの適切な管理と日々のメンテナンスが非常に重要になります。
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