【プラント設計の基礎】トラブル事例から学ぶ!プラント設計技術




プラント設計のトラブルを防止するには、未然防止と再発防止の2つがとても重要になります。

プラント設計の際に発生するトラブルの対策方法は、過去に発生したトラブル事例を参考にすることです。しかし、そのような事はどのプラントエンジニアリング会社も発表しません。

そこで、実際に私が経験、もしくは聞いたトラブル事例をまとめましたので、プラント設計の参考にしてほしいと思います。

配管設計に関する方法やトラブルは下記記事を参考にしてください!

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1.配管関係

異種金属を接合して電食

異種金属を接続すると電位的に卑の方が腐食されるのは、よく習うと思います。

しかし、実際に対策がなされているかというとそうでもなく、直接接合してしまうことも多々あります。

実際私が担当したプラントも、フランジボルトには絶縁ボルトを使用することになっていましたが、使用しておらず腐食してしまったこともあります。

このようなことが予想される場合は現場で確認し、もし絶縁ボルトが入っていない場合は早急に入れるようにしましょう。

SUSのねじ同士で焼き付きの発生

SUSのねじ込み接手の場合焼き付くと大変なことになります。

ただし、安全弁の吹き出し方向が指定されている場合などは、必ずユニオンを使う必要があります。

この場合無理やりテーパーネジを締め付けて方向を調整したので焼き付いてしまい、取り外すのが不可能となりました。

施工時に気づくべきでしたが、図面上でもしっかりと指示をすることが必要です。

2.電気関係

保護継電器の設定不良による、高圧モーターの突然の停止

まず保護継電器がなんなのかというと

保護継電器は、設備の電力系統において発生する電力や電力・電圧の急激な変化といった異常状態を検出すると、遮断器などの開閉器へ制御信号を出力し異常個所を切り離すことで、その影響を最小限に抑えます。

オムロンのHPより引用

という機器になります。これの設定が間違っていたせいで、許容できるはずの電圧の変化により高圧モーターの停止が頻発しました。

この場合、モーター自体に異常はないので何が原因かわからず、解決まで非常に時間がかかりました。

結果としては、設定の間違いということで気づけば一瞬で終わりますが、気づくまでに相当時間を要します。

対策としては、非常に難しいですが機器の一般的な設定などは覚えておくようにしましょう。

また基本的に電気のトラブルは原因が明確でない限り、大きいものから小さいものへ調べていきましょう。

機械系エンジニアにとっては電気のトラブルは泣き所ですが、「僕機械専門なんで」なんてトラブル現場で入ってられないので、電気のことも勉強しておきましょう。

活線状態で作業してブレーカーOFFによるトラブル

基本的に電気工事をする際はブレーカーをOFFにして作業するのが鉄則です。

しかし、やむを得ない状況で活線状態で作業するときは、必ず1本ずつ配線を処理しながら作業する必要があります。

この事例では、なぜか新入社員が工事担当としてやってきて活線状態で作業をし、ショートさせた結果ブレーカーがOFFになり客先設備も停止し大トラブルになりました。

作業手順書などがなかったのも原因ですがやはり活線状態で作業しないのが一番です。

3.ユーティリティ関係

冷却水水質不良によるトラブル

冷却水は機器の冷却に必ず必要ですが、なぜか軽視されることが多いです。

しかし、ユーティリティはもしトラブルが発生すればプラント全体が停止する恐れがあります。

このトラブルも客先支給の冷却水をよく確認せずに使用した結果、スライムやスケールによる閉塞で大トラブルを起こしました。

通常通り冷却水のブローも行っていましたが水質が悪すぎて意味を成しませんでした。

その為、別途薬注装置を設けさらに電導度管理を実施することにしました。

客先支給のユーティリティは時にはトラブルのもとになります。事前にその品質などを良くチェックし、問題があれば自分たちで解決することが必要です。

客先冷却水への異物混入

客先から冷却水を支給していただき、客先のクーリングタワーへ返送した結果、配管工事の際の異物がそのまま客先冷却塔に行きトラブルになった。

基本的に冷却水はいったんタンクなどにうけ、そこから循環などをする形にして、客先のラインからは必ず分岐することが必要です。

4.振動、騒音関係

騒音によるクレーム

プラントには大きな回転機器を扱うので騒音対策は必須となります。

それが特に、近くに住宅地があるときはなおさらです。

さらに騒音は制限値をクリアしていたとしても”感覚的に”不快を感じるときもあります。

その為、騒音対策には専門家も交えて慎重に実施しましょう。

振動によるサポートの大幅追加

騒音と似ていますが振動も非常に大きな問題となります。

この例ではレシプロ圧縮機の振動対策が不十分であったため、さらにサポートの取り方、及び基礎の設計不適切だったことにより、運転開始と同時に激しい振動が発生しました。

このような場合、一番良いのは基礎をやり直すことですがいったん据え付けた後にそれは不可能です。

その為

  1. 振動が発生する。
  2. サポートを強化。
  3. そのサポートを伝って振動が別のところに伝わる。

のイタチごっことなりました。

結局、1000万円近くの費用をかけて対策を実施しました。

振動が発生すると予想される機器は

  • コンクリート基礎であるならばメーカーと十分に打ち合わせをして、振動を抑えることのできる基礎重量を持たせた防振基礎にする。
  • 防振架台の場合であっても同様にメーカーと十分に打ち合わせをして詳細仕様を決定する。
  • 配管などはフレキ管で振動を切る。

事が重要です。

5.機器関係

サージングによるターブロワの破損

何でも”大は小を兼ねる”ということが通じないことがあります。それがサージングによるターボブロワの破損です。

その時はターブロワの出口にある調節弁で風量調整をするプロセスを考え、少し大きめのターブロワを設置しました。

実際は性能曲線は流量が少なくなるにつれ、急速に左下がりになる曲線でサージングが起こることは容易に想像できましたが、だれもそこに気づきませんでした。

そしてサージングが発生し、その振動によりターボブロワ内のインペラが破損しました。

サージング領域を小さくする、つまり全閉圧と最高圧の差圧を小さくする対策がなされていれば問題なかったかもしれません。しかし気づいたときは後の祭りでした。

対策としては、各機器の特性をよく理解することがあります。また、メーカーにどんな運転条件で運転するのか?それを事前に伝えるのも非常に重要です。

まとめ

以上、私が経験したトラブルをまとめてみました。実はもっと数多くあるのですが重大なトラブルに絞ってまとめてあります。

このような事例をまとめた本は意外と少ないのですが

などが参考になりますので一読してみることをおすすめします!

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