【プラント設計の基礎】プラントの現場監督・施工管理とは?仕事内容、キャリア、学ぶべきことを解説

みなさんこんにちは、プラントエンジニアのヤンです。

プラントエンジニアとして設計の仕事をするつもりでいたのに、現場監督の仕事を任されて「設計の仕事がしたいのに・・・。」と思ったことはありませんか?

僕自身も現場監督という仕事ははっきり言って設計の仕事じゃないと思っていました。

しかし、実際には現場監督の経験というのは設計の仕事に生かせる経験を多くつめます。

いったいどんな経験が設計の仕事に役立つのか?設計も現場監督もやってきた僕が解説していきます。

※無料で利用できるプラントエンジニア専門の求人プラットホーム

近頃は転職サイトも非常に多いですが”エンジニア”向けの転職プラットフォームはあるのに、”プラントエンジニア”に特化したものはありませんでした。その為、総合転職サイトで求人を探してもなかなか見つかりにくい状況ですよね?そこでおすすめなのが「プラント特区」です。”プラント業界専門の転職求人プラットフォーム”ですのできっとあなたに合った求人が見つかるはずです。

>>本気で転職したいプラントエンジニアはまず無料登録!

目次

現場での仕事も重要な仕事です!

現場での仕事も重要な仕事です!
  • どうしても現場監督ってきつい・きたない・きけんというイメージですけど、実際のプラントを建設するには無くてはならない重要な仕事です!

プラント建設の仕事はもちろん建設現場で行われるので、プラントエンジニアとなったからには現場で施工に関して指示するために、現場に駐在することも多々あります。

いわゆる施工管理や現場監督、フィールドエンジニアと呼ばれるものですが、大手エンジニアリング会社であれば配管担当・建設担当・電気担当などに分かれます。

しかし中小企業になると一人ですべてをやる必要があります。

この現場での経験は慣れないと非常に大変です。なぜなら知り合いでもない、もしかしたらその現場で初めて会う作業員の人にあれこれ指示しなくてはなりません。

さらに図面に間違いなどがあればその場でどのように施工するか指示し、常に安全と納期と費用を気にしながら作業していくので非常に大変な仕事です。

しかし、プラントエンジニアとしての能力を伸ばしたいのであれば、現場での経験は決して無駄にはなりません。むしろ非常に役に立ちます。

その為なんとなく建設現場に行くのではなく、次の設計にいかせることを学びに行きましょう。

施工管理の仕事内容

施工管理の仕事内容
  • 施工管理の仕事というのは単に工事の進捗状況を確認するだけではありません。プラント建設の工事現場というのは非常に危険な作業であるので安全管理も重要な仕事であると同時に、納期、予算も管理する必要があります。

安全管理

結構これを省略して仕事内容を紹介しているサイトも多いのですが、まず第一に優先すべきは安全管理です!

プラント建設の現場には危険がいっぱいです!

プラント建設現場の危険
  • 高所作業
  • 上から何が落ちてくるかわからない現場(まぁ上下作業は本来ダメだけど)
  • 重要物の運搬、クレーンでの作業
  • 溶接などの作業
  • 試運転の際の回転機器

などなど化学プラントではこれ以外にも危険な薬品や高圧のガスなど非常に危険なものが周囲に存在します。

その様なときに適切な保護具をつけているか?リスク管理をして仕事をしているか?などを末端まで確認するのは施工管理として非常に重要な仕事です!

朝礼で行うKY活動や現場を巡回して不安全行動を注意するなど、事故を防ぐためには非常に重要な仕事になります。

工程管理

プラント建設の現場ははっきり言ってスケジュール通りに進むことなどありません!

プラント建設工事が遅れる要因<
  • もともとの計画に無理があった。
  • 資材の搬入遅れ。
  • 図面の間違いによる工事遅れ。
  • 天気(台風や大雨)等による工事の中断。
  • 多数の現場での修正。
  • 大量のダメ工事。
  • 輸入品であれば税関での検査が手間取りそれに伴う納期遅延。
  • 工事現場の干渉。

などなど、工事が遅れる要因というのは多数ありますがだからといってスケジュールが遅れて、納期が遅くなるのは絶対に避けなければなりません!

そこで遅れた工程をどのように取り戻すか?常にスケジュールを監視して遅れをいち早く発見する能力と、臨機応変にスケジュールを調整して遅れを取り戻す能力の両方が必要となります。

時には作業員の方に頭を下げて残業をお願いするのも重要な仕事です。

お金の管理

施工管理というのは日程が伸びれば伸びるだけお金もどんどんかさんでいきます。特に現場工事での作業員は日付が長くなればなるほどそれに比例して費用も上がっていきます。

追加工事ではなかなか金額の交渉も難しいときがあります。なぜならすでに工事が終わってしまっていて、発注前に細かい仕様の打ち合わせなどができないからです。

だからこそ追加工事はしっかりと内容などを記録に残した上で、請求書などが来ても必ず内訳も提出させ不当な金額を請求されないようにすることが必要です。

それ以外にも工事機材は時にはレンタルで使用するものも多いので、レンタル期間を短くすることでレンタル費用を安く済ませることも必要です。sのような麺でもお金の管理が非常に重要ですね。

品質管理

品質管理と言われても

「え?図面通りに作るだけでしょ?」

と思う人もいるかも知れませんが、プラント建設工事というのは建設してしまってから品質上の不具合を発見すると非常に面倒なことになります。

プラント建設で品質上で注意すべきこと
  • 図面通りに施工されているか?
  • 仕様通りの材料が入荷しているか?
  • プレハブ配管やユニット等は輸送中に傷などが入っていないか?不具合が発生していないか?
  • 工事の施工は仕様書通りに施工されているか?
  • 塗装、メッキはきれいにされてるか?膜厚は問題ないか?

などを常に確認する必要があります。特にJISで規定されている内容や、高圧ガス保安法で規定されている溶接方法などが守られていないと全て施工し直しなので注意しましょう。

公共工事はちょっと塗装が汚いだけですごく指摘しますからね・・・。

プラント建設現場で学びたいこと

プラント建設現場で学びたいこと

プラント設計を担当しているからといって施工管理のことを全く知らなくていいというわけではありません。

むしろ施工管理を知ることで設計の方に色々とその知識を活かせるので、設計としてのスキルを上げるためにも施工管理としての経験を積むことは非常に重要です。

主にどんなことを学べばいいのか?解説していきます。

安全管理

プラント建設工事は納期や品質など色々と確認・管理スべきことは数多くありますが、最も重要なのは安全管理になります

単にヘルメットや安全靴などの保護具を着用するだけでなく、高所作業では安全帯の着用や足場に関するルールなど法律で細かく決められているものもあります。

その様な安全対策をどのように行っているか?また作業者に安全に作業してもらうためにはどうするか?安全管理は最も重要なことなので、まず学ぶ必要があります。

リスクアセスメントやKYTなど安全に仕事をするために行う活動も非常に多いので、マンネリ化を防ぎどうすれば効率的な安全活動ができるのか?よく学ぶことが安全な工事現場を作るためにも重要です。

実際の施工方法

  • 実際どうやってプラントができていくかを理解すれば、工程表を作成する際や、見積もりを査定する際のその経験を生かすことができます。

配管図や配置図などを設計する際に考えて欲しいことが、実際にどうやって施工して完成させるかです。プラントは図面だけでは完成しません、必ず施工を伴って完成します。

だから、図面を書く際はもちろん設計通りに図面をきれいに仕上げることも重要ですが

  • どうやって施工する?

と、いうのを常に考考えることが重要です。

もちろんこういうのは施工業者任せにしてもいいのですが、僕は基本的にはそういうことはしません。なぜなら施工業者は自分たちのことしか考えていないので、時には不要なクレーンや施工方法などで施工するときがあります。例えば

施工業者にまかせたら起きたこんなトラブル
  • 施工業者に任せ切りにしてやりたいようにさせた結果、追加工事などが発生し、思ったより費用がかかった。事前図面に基づいて打ち合わせをすれば防げるミスだった。
  • 機器の配置の際に搬入ルートを考えてなかったので、むだな横引きの費用が発生した。搬入ルートやレッカーの配置も完全でなくてもある程度は図面上で考えておくべきであった。
  • 配管図で現合の位置をしっかり記載しなかったので、全てプレハブで製作してきた結果合わないところが多数あった。事前に図面上に現合の位置をしっかり記載すれば防げたミスだった。
  • サポートの数が少なかったので無駄にカニクレーンの費用が発生した。現地工事のことも考えてサポートを配置すべきだった。

以上は全て僕が経験してきたことです。結局、図面ありきで仕事をするのは当たり前ですが、どうやって施工するかも考えないと、時間や費用が無駄になってしまいます。
そのためにはどうすれば良いか?

まず、発注者的な考えをやめましょう。

一度後輩の立案した施工計画があまりにもはっきりしないので切れそうになったことがある。

その時の工事は既にできた新築の建屋の中に機器を据える工事であったので、建屋の中を傷つける事は厳禁でした。搬入物の重量も全て合わせると500kgを超えているし、物はパレットで来るという。

問題となるのが

機器の据え付け時の問題
  • 台車の域をはるかに超えている。
  • まさか工場でもない建屋の中にフォーク入れるのか?
  • 搬入口もただの機械扉だがプラットフォームがない。
  • どうやって引き込むのか?

結局、バラして持ってきてもらってなんとか据付は完了しました。

発注者目線で見ると、工事の本質つまり施工する時に何が起こるのかが見えてこない時があります。必ず施工する側の目線で物を考えることをお勧めします。

工事計画の立て方

  • プラント建設では巨大な設備の据え付けや、クレーンを使用することもあります。重機をどのタイミングで準備していつトラックを入れるのか?などの計画を立てるのも重要な仕事です。

プラント建設では100tを超えるクレーンを使用することも珍しくはないですが、そのような大きなクレーンを使用するときは細かい工事計画を立てることが重要になります。

据付工事の時の計画の立て方
  • 何時にクレーンは入場するのか?
  • 何時までにカウンターウェイトなどを取り付けるのか?
  • 何時から据え付けを開始するのか?
  • 横倒しでタンクを納入するのであれば、どのようにクレーンを配置して、どのように立て起こして、どのルートでトラックは退場するのか?

これらを事前に計画しておかないと、気づけば据付開始予定から2時間遅れていたり、トラックが退場できないという不具合が生じます。

その為、どのようにタイムスケジュールを立て、どのようにレッカーを配置し、どのように客先に説明するかをよく勉強することをお勧めします。

それだけでなく、全体な工事の進捗管理などを学ぶことができれば、プラント建設の全体スケジュールを計画するにも役に立つはずです。

作業員との付き合い方

  • いくらお金で雇っているとはいえ従業員も人間です。

現場の作業員で毎回同じ現場に来る人はいないと思います。というかいません。

毎回、新しい人と仕事をすることになります。その際に重要なのが作業員の人の性格や仕事の仕方を早く理解することです。

これは非常に重要なことで、現場監督はときには無理を聞いてもらうことも必要です。そういう時に、どういう頼み方がベストになるのかよく観察しておくことが必要です。

もちろん、お金の関係なのでお金を払う以上仕事をしてもらうのが当たり前ですが、とはいいつつも相手は人間なので心と心の付き合いになることもあります。

現場工事を順調に終わらせるためにも、作業員との付き合い方はよく勉強しましょう。

施工現場での経験を設計に活かす

プラント建設現場の施工監督を経験すると設計としても違った視点から設計を行うことができます。

例えば施工性をどう考えて配管設計などをするか?施工のしやすい設計とは?工事計画をどうすれば効率が良いのか?

などなど施工者からの視点で設計をすることができるので、設計者としてのスキルも大きく向上するでしょう。

決められた敷地に決められたプラントを」というのが基本ですが、施工性が改善されれば費用も下がる傾向にあるので施工性を考えた設計をできればスキルが大きく向上するでしょう。

施工監督のキャリアプランは?

施工監督のキャリアプランは大きく分けると3つのステージに分かれます。

まず最初は先輩社員とともに施工監督をすることで、安全管理や工程の考え方、トラブル発生時の対処法などを学んでいきます。

この段階では自分で仕事をするよりも先輩や上司の指示に基づいて作業をすることが多くなります。

ある程度のスキルが付けば専任の現場を任せられることになります。もちろんその場合は監理技術者の資格が必要となる場合もありますが。

最後は複数の現場管理として現場代理人や監理技術者として名前は上がらなくても、複数のプロジェクトを管理することになるので非常に重要な仕事になります。

施工監督はだいたいこの様なキャリアプランになります。

受注金額によっては監理技術者の資格が必要

受注金額によっては監理技術者と呼ばれる資格を有する人を置く必要があります。

監理技術者は1級の施工管理技士の試験に合格する必要があります。ですので、自分が資格を取れる段階になれば過ぎに合格に向けて勉強しましょう!

施工管理として勉強することは?

施工管理として勉強することは?

施工管理として勉強することは多岐にわたります。もちろん建設するプラントや工事の種類によって勉強スべきことも違いますし、一つのプロジェクトとして考えるとプロジェクトマネージャーとしての勉強も必要です。

なのでまず目標としては施工管理技士の資格取得が目標となりますが、経験年数が必要なのでまずは基本的なところから勉強していきましょう。

プラント配管であれば「配管設計・施工ポケットブック」がおすすめです。少し古い情報もありますが現場施工のことやプロジェクト管理の事も記載があるので現場監督にも役に立つ本です。

同様に「現場で役立つ管工事の基本と実際」も勉強となる本です。管工事施工管理技士の資格取得を考えている場合でも、基礎的な部分が勉強になります。

プロジェクト管理について学びたければ「エンジニアリングマネジャー―強き技術系管理者への道」がおすすめです。こちらもなかなか入手が難しく、さらに内容が技術経営のことを中心に書かれているので難解な部分もありますが、プロジェクト管理の部分だけ読んでも勉強になります。

本で学ぶよりも実際は現場で直接学ぶことも多いですが、これらの本は新入社員からベテランになっても使えるので非常におすすめです!

配管設計・施工ポケットブック

現場で役立つ管工事の基本と実際

エンジニアリングマネジャー―強き技術系管理者への道

プラント建設現場の施工管理まとめ

まとめ
  • 施工監督で最も重要なのは安全管理!
  • それ以外でも工程管理や品質管理など重要な仕事が数多くある。
  • プラント建設現場での現場監督経験は決して無駄にはならない。
  • その経験を設計や工事計画につなげていくことが重要。
  • プラント建設工事はその前段階も重要。いかに現場工事をスムーズに事故なく進めるかにかかっています。
  • 自分は設計だからとはおもわず、現場のことも考えることのできる人間になる。
※無料で利用できるプラントエンジニア専門の求人プラットホーム

近頃は転職サイトも非常に多いですが”エンジニア”向けの転職プラットフォームはあるのに、”プラントエンジニア”に特化したものはありませんでした。その為、総合転職サイトで求人を探してもなかなか見つかりにくい状況ですよね?そこでおすすめなのが「プラント特区」です。”プラント業界専門の転職求人プラットフォーム”ですのできっとあなたに合った求人が見つかるはずです。

>>本気で転職したいプラントエンジニアはまず無料登録!

コメント

コメントする

目次