【プラント配管設計の基礎】配管設計の疑問点をプラントエンジニアが解説!!

皆さんこんにちは、プラントエンジニアのヤンです。

今日は僕が配管設計した中でいろいろと質問をもらった疑問点を解説していきます。配管設計って教科書的なものが少ないので、どうしても経験や勘に頼るところもあります。

しかし、実際はある程度決まりごとがあるのでそのような基本的なところは守っていきましょう!

みなさんも、配管設計する際はぜひ参考にしてください!

※無料で利用できるプラントエンジニア専門の求人プラットホーム

近頃は転職サイトも非常に多いですが”エンジニア”向けの転職プラットフォームはあるのに、”プラントエンジニア”に特化したものはありませんでした。その為、総合転職サイトで求人を探してもなかなか見つかりにくい状況ですよね?そこでおすすめなのが「プラント特区」です。”プラント業界専門の転職求人プラットフォーム”ですのできっとあなたに合った求人が見つかるはずです。

>>本気で転職したいプラントエンジニアはまず無料登録!

目次

偏芯レデューサーと同芯レデューサーの使い方

基本的に液体の場合で水平配管は下記のように使い分けています。

水平配管での偏芯レデューサーと同芯レデューサーの使い分け
  • 水の場合は上面合せ、空気だまりができないようにするためです。
  • 食品配管などの液だまりが嫌な場合は下面合せ
  • ガスは下面合せ。
水平配管での偏芯レデューサーと同芯レデューサーの使い分け

で使っています。まぁ、ある程度の流速で流せば空気も全て流れるという意見もありますけどね。

ただ、気を付けて欲しいのは、上面合せだと配管のBOP(Bottom of Pipe)が変わるので配管サポートの設計が難しくなります。

配管の下側(Bottom)が同じ高さだと、サポートの高さも同じ高さにできますよね?そういう意味で、偏芯レデューサーは使い所に注意する必要があります。

そのため、偏芯レデューサーはポンプ入り口の直前などで使うように設計しましょう。

同心レデューサーは基本的に垂直配管で使います。しかし、こちらも壁沿いに配管する場合などは、サポートの位置が変わるので使い所に注意です。

個人的には、垂直配管でも偏芯レデューサー使用した方がいいと思います。

SGP-Wで溶接してはいけないの?

溶接していけないことはないですが、有毒なヒュームが大量に発生するのでなるべく使用しない方がいいです。

また、スパッタが多く飛ぶのでその後の補修(ローバルなどの)が多くなって、ひどい場合は元々のメッキ部分がほとんどなくなってしまいます。なので、溶接する箇所をできる限り少なくする必要があります。

そういうこともあって私はSGP-Wはほとんど使用していません。水でもSUS304を使用していました。溶接部のやけを取ってステンレスコートかクリア吹けばきれいですしね。

どうしてもSGP-Wを使用したいのであれば

SGP-Wでの注意点
  • 溶接部を少なくする。
  • 65A以上はSGP配管をプレハブで組み立ててどぶ漬メッキをする。
  • ローバルを塗る際はマスキングをしてきれいに仕上げる。

事を検討しましょう。もちろん、ねじを切ったところにもローバルは必要ですよ。

SUS304の配管が溶接部周辺で錆びた!

「鋭敏化(えいびんか)」という現象です。溶接時の熱により、SUSの中のCr(クロム)がC(カーボン)と結びつき、酸化クロムになります。

その部分はCrによる耐蝕効果が無いので普通に錆びてしまいます。

対策としては

鋭敏化の対策
  • 溶接時の入熱を少なくする。
  • 酸洗する→ただしこれでも酸化クロムの層が取れなければ何度やっても錆びます。
  • ステンレスコートやクリア塗料で外気と遮断する。
  • L材(低炭素材、SUS304Lなど)を使用する。

という対策が必要です。

なお、これは溶接時の熱による影響なのでいくらArシールをしたからといって解決できません。

SUS配管に酸洗は必ず必要なのか?

SUS配管を溶接した時にできるやけは取らないと美観上好ましくありません。

取るにはワイヤブラシなどで削り取る方法と酸洗する方法がありますが、普通のSUS304配管であればワイヤブラシで十分です。

外面をバフ研磨している配管の場合は酸洗の方が簡単です。ただし、薬品を扱うので少しめんどくさいですが。

ちなみにワイヤブラシだろうが酸洗だろうが鋭敏化している部分は錆びますので、低炭素材(L材)を使用しましょう。

もしくはステンレスコートorクリア塗料で外気と遮断しましょう。

SUS304とSS400のフランジをつなぎ合わせる際に「絶縁しろ!」といわれた

基本的にSUSと鉄を接触させて履けません。電食によりSS400側の錆が進行し、さらにもらい錆でSUSも錆びる恐れがあります。

詳しくは

ステンレスと異種金属との接触についての問題点

をご覧ください。

もし、どうしてもSUS304とSS400のフランジを接続する際は、絶縁ボルトを使用するか絶縁化してください。

ボルトにテフロン製のスリーブを差込み、ボルトの頭及びナットにテフロン製のワッシャーを使用すれば絶縁完了です。

なお、「今まで腐食したことないからいいや」という人もいますが、もし高温高圧ンプラントであれば人命に危機が及びます。

また、対策工事やそれにかかる費用などとてもめんどくさいことになるので、このような簡単につぶせるトラブルの芽は事前に潰しておきましょう。

配管の振動対策

配管の振動対策として配管サポートに防振ゴムをつけることが多いですが勘違いしている人が多いので解説しておきます。

まず、サポートを増やして対策するのはいたちごっこになる可能性が高いのでお勧めできません。やるなら振動源を(圧縮機とか)との接続を防振継手を用いて、縁切りを行いましょう。

で、配管の振動対策ですけど下の図のような対策は間違いです。なぜなら振動は硬い物同士で伝わるから。

配管の振動対策

なのでこのようにします。

配管の振動対策

一番の良いのは専用の防振ゴムを用いてこのようにすることですね。

振動対策専門の業者に聞けば、サポート間隔なども計算してくれます。

フランジのボルト・ナットにワッシャー・スプリングワッシャーはいれるか?

これも人や会社によって見解がちかまいますが、私は入れません。なぜならスプリングワッシャーを入れると逆に緩みやすくなるという情報もあるからです。

さらに、フランジはある程度強く締めても壊れません。なので、ワッシャー・スプリングワッシャーいれなくても問題ないと思っています。

ただし、塩ビ製のフランジにはワッシャーを入れてください。割れやすいので。

フランジはスタブエンド+ルーズフランジじゃダメなのか?

まぁ別に構いませんけど、ちゃんとフランジボルト穴を中心線跨ぎで施工できればいいのであんまり使いません。部品点数も増えるしね。

さらに、SUSの場合はバックシールド必要になるのでめんどくさいです。普通のフランジならすみ肉溶接なのでバックシールドいらないですからね。

どうしてもフランジが高価とか、配管が銅とかの場合に使用すべきかなと思います。

水配管にSUSはだめなのか?

水の配管は基本SGP-Wを使用する場合が多いと思いますが、私は別のプラントでSGP-Wの配管から錆が発生しえらいことになりました。

その為、水でもSUSを使用しています。

ただし、SGP-Wの配管から錆が発生したのか?機器内部から発生したのかわからないのでSUSに統一してよかったのかは疑問が残ります。

これからも随時追加していきます!

いかがだったでしょうか?これらは私が後輩や施工業者からよく聞かれた質問になります。

こういう時にさっと答えられると

この人頼りになるわー

って思われますよね。それに無駄な時間もかかりません。

このような知識は本にも載っていますが、それ以外にも実務から学ぶことが重要です。しかし、故意に失敗するわけにはいかないのでいろいろな事例から学びましょう。

おすすめは

の二冊です。

配管設計・施工ポケットブック 新装版

トラブルから学ぶ配管技術-トラブル事例とミスを犯さない現場技術-

※無料で利用できるプラントエンジニア専門の求人プラットホーム

近頃は転職サイトも非常に多いですが”エンジニア”向けの転職プラットフォームはあるのに、”プラントエンジニア”に特化したものはありませんでした。その為、総合転職サイトで求人を探してもなかなか見つかりにくい状況ですよね?そこでおすすめなのが「プラント特区」です。”プラント業界専門の転職求人プラットフォーム”ですのできっとあなたに合った求人が見つかるはずです。

>>本気で転職したいプラントエンジニアはまず無料登録!

コメント

コメントする

目次